ででの日記

好きな話は何度したっていいもんね

新ハムレット6/10マチソワ備忘録~おもいのほか自由奔放なひとたち~

「新ハムレット太宰治シェイクスピアを乗っ取る!?~」 6月10日(土)マチソワ公演を観劇しました。

マチネは太宰治が大好きな友人と観劇しました。太宰治有識者な友人も面白かったといっていました!嬉しいねぇ、楽しいねぇ。ちなみにその友人は血の婚礼も一緒に観ています。嬉しい。謎に達成さんのストプレをきちんと観ている人になっている。その友人からいろいろ解説もしてもらえて、大変楽しい観劇となりました!

可愛いグッズたちとPARCO1階のカフェで食べた美味しいケーキ

グッズもやっと買えました。(前回爆裂雨だったから…)

パンフレットは小さめサイズでかわいい。中を開いてびっくりの文量!読み応えたっぷりで嬉しい~!中の写真もとても素敵。クリアファイルは初期と最後のフライヤー柄(たぶん)。ビジュアルグッズ貴重ですね。この気だるげな達成さんの表情とても好きです。そしてブックカバー!めちゃかわいい!素材は布です(布です)。ちょっと薄いかな?という気もしますが、カバンの中で絶対に見失わない黄色なの助かる。買い足そうかな。開いたときのデザインがすっごく可愛くて「うわー!かわいいー!」って劇場のロビーで声出た。静かにしたい。

さて6/10マチソワの主なトピックは以下3本。

1.まさかの日替わり!?朗読劇

2.全員笑いすぎて変な空気になりかけた誓いのシーン

3.ハムレット急に脱いでどうしたの

何回観ても飽きないです……となりました。レポ半分感想半分という感じです。

 

まさかの日替わり!?朗読劇

最初は「な~んでこんな朗読劇することになってるんだっけ……?」と首を傾げていたのに、気がついたら大好きになっていた朗読劇のシーン。(※理解度には個人差があります)

ホレーショーの気合の入った演技が大好きです。そして私はびっくりしました。初日に観た時は高い声で演じていたのが、6/10のマチネではすごく低い声に変わっていたからです。日替わりなの!?そうなの!?ちなみにソワレでは高い声でした。マチソワで変えているのか、本当にその時の気分なのか…。謎が深まりつつも、加藤諒さんは本当に誰一人飽きさせないエンターテイナーなんだなと思いました。楽しすぎる。

ソワレのハムレットの朗読劇の声、今まで観た時より低い気がしたんだけど気のせいかなぁ。気のせいかも。マチネはトランチブル感があって、ソワレは声が低めで凄みがあった気がします。

朗読劇シーンの好きポイント

朗読劇のシーンでもう一個大好きなところがありまして。ハムレットが獅子の頭(合ってる?)をつけるところなんですけど……。な~~んであんなに可愛いの!?

まずホレーショーに手伝ってもらってるのが大変可愛いと思っているのですが、カツラを持って「ほっ」って勢いつけて被っているのが大変愛おしいですよね。被った後にホレーショーに手伝ってもらってね。被った後の顔芸……顔芸……?表情が豊かで好きです。お顔をぎゅーってしたり、いーってしたり、横の髪が気になるのか、やたらといじいじしたり。あと顎の紐(?)を結ぶのが妙に速くてツボです。器用ね、手先。顎に紐をあの付け方して喋るの大変そうだなぁと思いました。

あと「かわいい!」と思ったのは、朗読劇が始まる前に箱に乗ってちょっと喋るじゃないですか。その時に前髪をぺろって上げるんですよね。あれかわいい。話す時はきちんと顔を見せようという、ハムレットの育ちの良さ。

マチソワどっちか忘れましたが、ハムレット上着を上手に着れなくてホレーショーに「やって!」ってなってるのが可愛かったです(思い違いかもしれません)

ハムレットはホレーショーの前で一番素の感情を出しているような気がします。甘えてるよね。

 

あと、多分ソワレで太鼓についてる紐…の先のコイン…?なんだろうあれ…あれがちょっと絡まってて、めちゃくちゃチリンチリン言わせながら解いてるのがツボでした。ああいう鳴り物、思わぬところでオモロを生み出しそうであぶない。

オフィーリヤに「なにか手伝わせて」と言われて「じゃあ一緒に演出を頼むよ」という流れが高校生の青春っぽくて好きなのですが、ホレーショーがそこで口笛吹くのも大好き。ノリが楽しい。

そしてオフィーリヤが、その場で頼まれただけなのにすごく良いタイミング(ハムレット演じる亡霊が喋るタイミング)で太鼓をトコトコ鳴らしているのが私的にとてもツボです。すーごい上手やん。あのフォルムと佇まいも合わさって妙にマスコットキャラっぽくてかわいい。

朗読劇のシーンでグッとくるところ

ハムレットが舞台に上がるときに、木箱の舞台に対して「アルプスよりも高い気がする」と言うじゃないですか。私は木村達成さんが舞台上であのセリフを言うことにとてもグッとくるというか……なんかこう、言葉にできない気持ちになります。(私は達成さんを知ったのがつい最近なので昔のことに関して言及するのは烏滸がましいですが)きっと一観客には想像できないくらいのたくさんの苦労やプレッシャーを乗り越えて、舞台の主演を何作も連続で務め上げる存在になられたはず…。そして彼はそういったパーソナルな部分をお話されない印象なので(最近は少し増えてきた…?)、ただのセリフとはいえ「舞台」に対する少し後ろ向きな気持ちの言葉を彼の口から聞くことができるというのは、大変貴重だなと感じました。

何が言いたかったんだっけ……。とにかく、我々一観客が舞台に立つ役者の気持ちを知り得ることはできませんが、新ハムレットに主演として舞台に立っている彼の姿をこうして観ることができるのは、本当に尊いことだなと思うのです。これからもどうかすこやかに舞台に立ち続けてほしいです。

全員笑いすぎて変な空気になりかけた誓い

あのシーンもなかなか長いので何を誓っているのか若干忘れつつある。推定この舞台で一番オモロが巻き起こるであろう誓いのシーン。マチネでは舞台も客席も笑いすぎましたね。「誓いますか」を皮切りに、ホレーショーとポロー二ヤスがキスしかけたところで、ホレーショーはすんでのところで逃げ出します。その時、喉に何か詰まらせてしまったのか演技だったのか真相は分かりませんが、ホレーショーがえずいてしまってなかなか次のセリフに進むことができませんでした。(なんか文章に起こすとまともだな……)それをポロー二ヤスがセリフを言わずに引き延ばすもんだから、ハムレットが顔をくしゃっとさせて本気で素で笑っていました。笑いすぎて、最終的に口元を手で隠してたし。その流れが済んだ後、ハムレットがホレーショーのことをぺちっと叩いていました。仲が良くてなによりです。

これからあのシーンが鬼門になるのでしょうね……笑いを取るホレーショーにとっても、笑いをこらえなければいけない(?)ハムレットとポロー二ヤスにとっても…。いや、ポロー二ヤス、にやにやしながらめちゃめちゃ笑ってたな!!自由すぎ!

素で笑うハムレット(達成さん)は大変可愛かったですし、大笑いした後にスッとセリフに戻るのが本当にお見事でした。

 

ちなみにソワレではホレーショーがちぎれたジャケットの裾を使って床を掃除するという謎のギャグを披露し、若干滑りつつ、会場全体が「ふふっ……」という雰囲気に包まれました。ハムレットが瞬時に「好きにしてくれ…」とでも言うように、手を軽く体の前で重ね、一歩後ろに下がって直立をキメている姿が面白かったです。ちょっとニヤニヤしてましたね。ポロー二ヤスもニヤニヤしてました。なるしーさんが笑い上戸なのか、大人の余裕な笑みなのかは分からずじまいです。

ハムレット急に脱いでどうしたの

タイトルが全てです。事件はソワレで起こりました。

ハムレットがドカっと木箱に座りぴこぴこゲームをするシーン。いつもならハムレットは外套を枕にし、ゴロンと寝っ転がり足を組んでゲームをするのですが、何故かマチネではパーカーのジッパーを開け始めました。「暑いのかな?あら~何かが斜めがけになってるなぁと思ってたけど、小刀(?)ケースだったのね!そんで下のシャツの裾ビリビリだな!!!」と思っていたらパーカーを脱ぎ始めました。びっくりしました。心の中のキムタクと櫻井翔が「ちょ待てよ、嘘だろ」と言ってた。

どう……どういう風の吹き回しで…そう……?ソワレは絶対にこのシーンの会話理解するぞ!と思っていたのにあまりの衝撃に私の脳みそは閉店しました、お疲れ様でした。結局、脱いだパーカーは丸めて外套の上にポイ。座ったままスマホゲームをしていました。下に着ているグレーのシャツがまさかタンクトップとは思わず動揺した。しかもペラペラだし。あと腕が思いのほかムキムキでびっくりしました。鍛えてらっしゃるのかしら…(ラジオでパンプアップしてるって言ってたけど、7割くらい嘘混ぜてる気がするからどこからどこまでが本当かはわからん)

このシーンの最後、ガーツルードのセリフに合わせてハムレットが立ち上がるのですが、さながらボクサーのようでちょっと面白かったです。

図解しようと思ったけどかっこよい出で立ちで描けなかったので断念。

やっぱりハムレットの外套が好き

ハムレットの外套が!とても好きなんです!!!あの形がすごく好き……。という話をマチネ一緒に観劇した友人に話したら「あれは太宰型だね~」と返されました。なにそれ、知らない。友人曰く、太宰はおしゃれさんで、服を自分好みのデザインにしていた……んだっけ…?他人が着ないようなデザインにしていたんだっけ…?忘れてしまいましたが、とにかく太宰型だねとのこと。制作側のこだわりがすごい…素敵…。

そしてとにかく外套が好きという話をツイートしてたら、服飾有識者の友人が「それはたぶんインバネスコートだね」と教えてくれました。いやすごいな、叡智が。ちなみに友人は国会図書館に昔の資料を漁りに行って型紙を書いたところで「いや、買ったほうが早い」と思ったらしいです。気づくタイミングよ。冬に買いに行くらしいので私もついて行こうかな…うっかり買いそう(いつ着るん)

そう、あの外套の形もさることながら、背中の柄も大好きです。初日は遠めからの観劇だったこともあり「桜柄かな?」と思ったのですが、よ~~く見たらあれはそう…スプラトゥーン………。いやスプラトゥーンではない。なんていうの、インクをぺしゃ!ってやった柄です、たぶん。まさかのラッパーの方に寄せた柄だった。可愛い。初日にあの柄を観た時、頭に浮かんだ言葉は「任侠」でした。

すごくグッときたシーン

あんなにグッときたのにどのシーンか忘れてしまったのですが、ハムレットが一人で下手側の箱に腰掛けてちょっとナイーブになっているシーン。そこで、膝を抱えて体を前後に揺らしていたんです。その仕草がとても、不安で不安でしかたがない人のそれで…なんだか観ていて泣きそうになってしまった。ハムレットは大げさに哀れんだり、嘆いたりしていて基本的に誰にも相手にされてないけど、一人になった時は布にくるまってちぢこまって体を揺らして、不安を抱きしめているんですね…。

ちょっとだけ君嘘の「弾かなきゃ…弾かなきゃ…」のシーンを思い出しました。ぜんぜん違うけど、ちょっとだけね。いや、グッとくるシーンがオタクの魂百まですぎる。しんど。

ハムレットの表情で好きなところ

星空の下、ホレーショーをハムレットが秘密を打ち明けるシーン。ハムレットが最後に「波の音が聞こえるね、もっと大事な秘密を聞いてほしい(意訳)」とホレーショーに語りかけるときの表情がすごく優しくて、悲しそうで寂しそうで大好きです。難しい言葉や感情で飾らない、心の底から湧き出てきた言葉を発したときの表情だったのかなぁ…と思うと、ハムレットとホレーショーは本当に良い関係なんだなぁと思います。まあ…寒いからまたの機会にと断られてしまうのですが……。

それは太宰では

木村達成ハムレットの喜怒哀楽、拗ねたりいじけたり不安がったり、とにかく常にたくさんの感情を放出している姿が大好きです。あと、ダルダルジャージな出で立ちだけど喋ると言葉遣いと言葉選びが丁寧で文化人なギャップも好き。そして友人が「あのハムレットはめちゃめちゃ太宰」と言っていました。

ハムレットの好きなところを挙げれば挙げるほど、脳内の私が「それは太宰では」と囁きます。えっ、もしかして太宰治ドハマリ人生開幕……?

ちなみに友人に勧められている太宰作品は「浦島さん」です。理由は忘れた。

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濃密で豊かな演劇体験ができることが本当に幸せ!!

なかなか自力では辿り着くことのできない世界だな、ありがたいなと思いながらこの新ハムレット期間を楽しみたいと思います!

 

おわり