ででの日記

好きな話は何度したっていいもんね

舞台キングダム2/19マチネ公演を観劇しました

舞台キングダム2/19マチネ公演を観劇しました。

小関くんのファンの方にお誘いいただき観に行きました。ありがとうございます!

超〜楽しかった!幸福感でいっぱいです。演技も演出もセットも衣装も全てに本気を感じました。絶対なんかの賞獲ってほしいー!

原作ファンの方には申し訳ないですが、映画をちょろっと見てから観劇した身なので、ストーリーやキャラクターの解釈が間違ってても大目に見てください。

 

ネタバレありです⇩

観劇前の予習

「映画を見たほうが地名と人物名が頭に入っていいかも!」と教えていただいていたので、実写映画を半分(山の民に会いに行くところ、偶然1幕終わりまで)見て観劇に挑みました。

人物名と関係性と地名と、クライマックスに向かうまでのストーリーが分かったところで「結末は舞台に取っておこうかな!」と思い、半分にしておきました。

私は歴史が得意ではないので、見る前は「ハードル高いな~」と思っていたけど、そんなハードルすべて薙ぎ倒すくらい、ストーリーが面白かったです。さすが売れてる作品だけある…!想像より単純明快。助かったー。

個人的には、半分見ておいて正解だったな!と思いました。舞台はストーリーがすごく分かりやすい脚本ではあったけど、1幕はけっこうサクサク進んで盛りだくさんだったので頭の中で「今は映画のあのシーンだな」と照らし合わせながら観る箇所もありました。

予習だいじ!

 

出演者(敬称略)

信:高野渉

はじめましての高野さん!まっすぐで元気な信!少年漫画っぽい声色と動き、そして軽やかな身のこなしが素敵でした。漫画から飛び出してきたみたいな人だった。ちょっとおバカだけど熱い心を持っていてみんなが信じてついていきたくなるような感じがとってもかわいくてカッコよかった!剣さばきが綺麗でとにかく軽やか。そして運動量がすごすぎてどういうことやねんと思いました。

あ、でも、がなってる話し方がちょっと聞き取りにくい時あってもったいなかったな…。そんなところもリアルでよかった。

嬴政・漂:小関裕太

君嘘ぶりの小関くん!映画を見た時に漂が良い役どころすぎて涙を流しましたが、途中で「この役を小関くんが…!?小関くんのオタク生きてー!」と思いました。

もう、漂と嬴政の演じ分けがすごすぎて観劇中「ありがとう…」って祈りのポーズしてた。

まず漂を演じている時は私が知っている小関くん(聡明でありながら、ぽやぽやかわいいワンコ)なのに対し、嬴政として最初に発した一言が「誰??」すぎてびっくりしました。低くて太くてでも艶やかで、どっしりと王の威厳のある声。芯が通っているけど優しさとあどけなさを感じる漂の声とは全然違くてびっくりしました。しかも漂が亡くなり嬴政メインになってから、ぱっと演じ分けるシーンが何回かあってすごかった…。小関くん、演技が上手い……。

あと小関君が殺陣とかアクロバットをしているイメージがあまりなかったのですが(前回公生だし)、今回はあの重厚で布の多い衣装を纏ってジャンジャンバリバリ戦っていて「?????」と思いました。すごすぎ。

河了貂:華優希

かっっっかわいい~~~!

フード(フード?)をかぶったままの時の動きも可愛いし、フードを取っている時も小さい体から元気が溢れ出ていて本当にかわいい。あと声がすごく聞き取りやすかったです。さすがです!あんまり戦い慣れていない河了貂、男性陣に混じって頑張っているのが健気でかっこよくて頼もしくて可愛かった…。

楊端和:美弥るりか

お面を取り肉声が劇場に響いた瞬間「そりゃ山の民の頂点に立つわ〜〜!!」と膝を打ちました。かっこよすぎる、凛とした佇まいと少しドスの効いた声。殺陣もかっこよかった…二刀流なのすごかった~~~!剣がほんとうに重そうですご~いと感動しました。カッコよかった~~~~語彙力吹っ飛んだ。美しすぎ。全人類が平伏する、さすがに。

壁:梶裕貴

声が良い(そりゃそう)。善人の声。善人すぎて途中で絶対裏切ると思った。ただの良いとこの良い坊ちゃんだった。よかった。圧倒的丸顔フェイスにお髭が生えてるの不思議な気持ちになりました。壁ぜったい死んじゃうと思った…死ななくて良かった…あと殺陣かっこよかったです…。ちょっとミニマムなところもよかった。

成蟜:神里優希

貴族の余裕と気品とワガママと性格の捻じれを凝縮した男。出てきた瞬間、うわっ性格悪そう〜!やだ〜!と思いました(褒めてる)最後の誰も周りに居なくなった瞬間の崩れ方は圧巻でした。

この人はお金と地位には恵まれていたけど心から信用できる人はいなかったんだろうね…と納得できる哀愁がありました。

死罪!と軽々しく言い放つ姿、とっても悲しいですね…。

左慈早乙女友貴

めちゃくちゃ強〜〜と思ったら早乙女友貴さんだった〜そりゃ強いわけです。かっこよかったし絶対勝てないと思った。殺陣が綺麗すぎました。ラスボス。

バジオウ:元木聖也

なんか運動神経バツグンでめっちゃ強くてどういうことやねんと思いました。何?

紫夏:石川由依

幕間に「紫夏は映画には出てこないけど、漂の命の恩人のような人だよ」と教えていただいていました。いや命の恩人のレベルが高すぎてびっくりよ。賢く商才があり、地に足をつけて1人で生きている女性、カッコよかった…。声が可愛らしくかっこいいのがすごい。出演シーンはあの移動のシーンのみだけど、まばたきを忘れるくらい観入ってしまった。かっこよかった……。

昌文君:小西遼生

小西遼生さんって、てっきりもっと若い人かと思ってたんですけど!こんな髭ヅラおじさん役やるような方だったんですね…!?舞台俳優年齢不詳すぎる。かっこよかったです。しかし目が足りずしっかり観れなかった…。

王騎:山口祐一郎

声の響きが格別すぎて何事かと思いました。さすが。

すんごい明るく適当に喋りながらリーチが長すぎる武器(鎌?)をぶん回してるの本当に最悪すぎて出てくるたびに「最悪〜〜帰れ〜!!!!」と思ってました。謎ポジなおかげで、もうだれがどう頑張っても勝つことのできない男みたいな、理不尽と不幸の象徴みたいな人で最悪でした(褒めてます)

 

とにかくすごいすごいと鳴くことしかできない

帝国劇場でキングダムやろうと思った人すごいしそれをこんな満足感たっぷりに仕上げた製作陣も役者も全員すごい

帝国劇場でキングダム…?と発表を見た時はちょっと不思議に思いました。色んな劇場で漫画原作の舞台が上演される昨今ですが、帝国劇場で!というのはなかなか聞かないからです(SPY×FAMILYもびっくりしました)。

→2024年1月現在はかなり状況変わりましたね。ジョジョだって帝劇でやる時代。

そしていざ観劇すると、幕間ではコラボドリンクを飲みながら「すごいすごい」しか言えず、観劇後も素敵なケーキを食べながら「すごいすごい」しか言えず、とにかく満足感がすごくて、観ることができてよかったーー!と叫びたくなりました。

帝劇と2.5の共存!

まず「帝国劇場で」というイメージにぴったりな重厚感と、2.5次元舞台の鮮やかで軽やかな演出が上手に共存していてすごい!

舞台セットがとにかくたくさんあって、場面ごとに配置を変えて奥行きと高さを生み出し、戦闘シーンの迫力と人力の凄さ(人力の凄さ)が存分に発揮されていて……。何がそうさせているのか分からないけど、岩とかが安っぽくなくてすごい。重厚感。

衣装も、漂や信や村人はちょっとペラい(けどすごく使い込まれている)服、嬴政や貴族たちは厚くて光沢があって、とにかく高級で重そうなお洋服。

ライティングも素敵でした。特に好きだったのは、朝日がのぼるシーン。嬴政の顔に朝日が当たるのがとても綺麗でした…。

たまに青いスポットライトが何本か奥から手前にバーっとなったり、キャラクターをピンポイントに当てているのがすごく2.5っぽくてカッコよかった…!舞台の奥行きを感じるし、使い方によってキャラクターがより引き立っててかっこよかった…!なんかこうアクスタみたいだった!(?)青いスポットライトで一番好きだったのは、漂を亡くしたばかりの信が1人で鍛錬を続けるところです。

そして音楽!開演前に、一緒に行った方に「生オケだよ!」と言われて衝撃を受けました。ストプレで生オケすごすぎる…本気……。音楽がとにかくカッコよくてカッコよくて…!戦闘シーンの低音の太鼓(ドラム?)がズンズン身体に響いてくるのがすっごかった。

あと、効果音が少ないのが上手だなぁーと思いました。殺陣のある舞台って「カキーン!」「チャキーン!」みたいな音が動きに合わせて鳴ることが多いけど、キングダムはほぼなくてびっくり。マジの人力。演じる側は大変だと思うけど、あの音がないから安っぽくないというか、生身の人間が闘っている姿によりリアリティを感じることができた気がします。

映像の使い方も素敵だったなぁ。今まで「映像が出てくると舞台に立ってる人がなんか浮いちゃうし、安っぽくなる気がするな」派だったのですが、映像の使い所と使う範囲が上手で全然浮いてなくてすごかった。印象がガラッと塗り替えられました。

紫夏のシーンの丸く映った景色とか、なんか良かったな…。そして浮かんでいる月は映像じゃなかった(気がする)なのも良かったな…。

そうだ忘れちゃいけない!脚本!脚本がすごくわかりやすかったです!原作知らずに行ったので再現度の観点では何もわからないですが、キングダム初心者の私でもストーリーが頭に入る、各キャラがどういう立ち位置の人方かが分かる脚本でした。本当にすごい。盛り込まれてる場面に無駄がない(というか映画とほぼ同じだった?)し、キャラクターの性格に一貫性があって「?」となることがないし。どの場面もずっと面白いし。

演出?魅せ方?もすごかった。

ストーリーの進め方が途中から2場面を交互に見せないといけない感じでしたが、舞台の手前と奥を上手に使ってて分かりやすかったし、転換に無駄がなくてすごい。

紫夏たちが逃げるところも、ずっと移動してるだけだけどたまに盆が回転して魅せ方が変わるのがよかった…。

あと舞台セットも凄かった。最初に出てくる小屋の外観と中をくるっと回転させて両方使うところ興奮しちゃったー!両面見えると途端に「実在感」が増してわくわくします。

あーもう全部すごかったなぁ。2.5次元帝劇ミュージカル。(書いてたらぐっちゃぐちゃになっちゃった…)

好きだったとこ

子供時代から大人へのシフト

子役うま…すご…。殺陣もできてアクションもできるのすごい…。と思ってたら2人ともでっかくなった。でっかくなり方が素敵でした。

漂と嬴政

漂が亡くなるのは知っていたけど、あまりにも亡くなるのがうますぎて小関くん人生数週目なのかと思った。漂、聡明だけど真っ直ぐな感じがとっても可愛いかったです。死んじゃやだ…。

そして嬴政がこっちを振り返った瞬間!佇まいと雰囲気が漂と全然違くてすごかった…舞台だからあんまり表情観えてなかったけれど、全然印象が違くてね。品があったなぁ…。育ちの良さを感じるけど全然鼻につく感じはなくて、自分の弱いとこはみんなに見せるし目的に真っ直ぐだし、すごい良い男だったな…(これはただの嬴政という男への感想)

途中で「漂が嬴政を演じてみんなを鼓舞するシーン」があって、その後に「嬴政がみんなを鼓舞するシーン」がありましたが、印象が、全然違くて本当にすごい……!!!!なにあれ!同じ人が演じているのに!2度目の鼓舞するシーン泣きそうになっちゃったよ。

嬴政と漂の切り替えがスムーズですごかった…。演じ分けの瞬発力よ…。

竹藪のシーン

吹き矢の男と戦う前に疲れて信が寝ちゃったところ好きでした。映画だと吹き矢にやられて毒が回って倒れちゃうシーンだったけど、舞台ではストーリーの順番がちょっと前後してましたね。嬴政が「一晩で漂を亡くしてここまできたんだ、疲れてるんだろう寝かせておけ(意訳)」的なことを言っていて超優しくてときめきました。ツンデレやん。貂が「手のかかる剣だなー!(意訳)」と冗談言ってたのも好きでした。そんで最後に嬴政が信をおんぶして連れてったのも優しさの塊で好きでした。

紫夏

この回想シーンにしか出てこない紫夏。良いエピソードすぎて全てを持ってかれた感ある。

メンズ2人を携えて商人としてバリバリ働く紫夏かっこよかったなぁ…。どうして嬴政を連れていくことになった(返すことになった)のかちょっと聞き逃しちゃったけど、紫夏が嬴政を身分相応に敬い、でも子供を守る大人として接しているところが大好きです。

ラストシーン

最後、闘いが終わってどうやって物語を閉じるんだろう…?と想像がついていなかったけど、完全に一本取られました。あの演出はずるすぎるし最高すぎる………。もうこの世界に居ない漂と瓜二つの嬴政。漂を亡くした悔しさを抱え、苛立ちの元凶となる嬴政を信じ、絆を深めてきた信。そんな2人が最後に「稽古の続き」をするところで幕が閉じるなんて。2人がぐんっと宙に舞ったところでライトが落ち、シルエットだけになるのが美しすぎて心の中でスタオベでした(君嘘を思い出したのはナイショ)本当に最高の終わり方だった……泣

ラストシーンもう一回観たーーーい

→円盤出るねおめでとう(約1年後の私より)

びっくりしたこと

帝劇ってガチの火点けていいんだ

御一行が歩いているシーン。嬴政がマジの火を持っていてびっくりしました。帝劇って火使っていいんだ!?あと嬴政が火を持ってる時に信が掴み掛かって取っ組み合いになるところ、ハラハラした…。嬴政がちゃんとその段取りの前に火を消していたけど、一歩間違えれば大事故な演出。すごい……本気度……。小関くん地味にやること多いな。偉いな。

まだ本気出してなかったんだ

1幕の時点で「うわ~めっちゃ動く~~!すご~!」と思っていましたが、幕間で「まだまだこれから」とお友達にいわれて「そんな訳なかろう」と思った。そんな訳あった。2幕が始まってから、1幕の戦いが道中の雑魚キャラを避けながら進んでいるだけとわかりました。そんなことある?

2幕で山の民が出てきてから「跳躍力と機動力と体力、1幕でぜんぜん100%出してなかったの!?????」と驚きの連続でした。びょんびょんバク転するわ高いところから飛び降りるわ…すごすぎる。観てるこっちが痩せそうで助かる。

その他感想

この時代つらい

何をどうするにもとにかく剣。腕力を使い相手の肉体を斬ることでしか物事を解決に導くことができない世界が、虚しくやるせなく、観ていて悲しくなりました。もうみんな美味しいもの食べながらのんびり暮らそうよぉ。こうした時代を経て、今の比較的平和な世の中はできたんだなぁ………つらい。

そんな時代の中での嬴政の「話し合いに武器は必要ない」という言葉。観劇中はただ「かっこいいなー」と思いながら聞いていたけど、今思い返してみるとその言葉は現代からすると想像もできないくらい、斬新で型破りな言葉だったのかも。嬴政ってその時代の人が考えつかない革新的な未来を最初に見据えた、すごい人物だったのかも。

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↑観劇後に書いていた感想でした。

もう9ヶ月くらい経ってしまったので細かいところを覚えていませんが、とても重厚で満足感のある誠実な舞台でした。

円盤発売おめでとうございます!本当に!

小関くんの2023年の舞台、王で始まり王で終わるのすごいな!(シャルル7世って王?じゃなかったらごめんッ)

 

おわり