ででの日記

好きな話は何度したっていいもんね

「僕にピアノが聞こえないなら」を聴いてる時に「さよなら、母さん」をふと思い出して爆発してたんだけど絶望した

※数回観劇後(東京公演のみ)に書いたものです

※7/10に加筆しました


ミュージカルのネタバレってどこからネタバレになってしまうんだろうかと日々悶々としています。

 

ネタバレしてます!今更ですが。

 

みんな大好き「♪僕にピアノが聞こえないなら」を飽きもせず毎日聴いています。良すぎ。一生聴いてたい。早く上演バージョンの音源が欲しいしあのシーンは芸術なので映像で欲しい。

(※配信で見られてよかったね過去の私!7/10の私より)

 

「♪僕にピアノが聞こえないなら」はピアノの音が聞こえない絶望と、母親の思い通りの子になれなかった苦悩、母親を失った悲しみを公生の心の叫びとして歌う1曲目にしてこちらの情緒をめちゃくちゃにしてくる最高のナンバー。

 

ピアノの音が聞こえない絶望、もうこちらの声が届かない場所に居る母親から縛られている息苦しさ、どうして愛してくれないのという寂しさ……公生の色々な想いが詰まってて……好きです……。いやメロディーもそうだけど歌詞がうますぎる。怖。

 

舞台上にピアノと公生の2人きり(リトルを入れたら3人だけど)、そして「なぜ聞こえない このピアノの音が」という歌い出しの歌詞も相まって

ピアノの音が聞こえない絶望感を強く感じます

大好きです

こんな絶望エネルギッシュソングが一曲目なの公生ズ大変すぎる

公生を生きてくれてありがとう……

 

と思いつつ、今日も元気にこの曲を聴きながら出勤していたのですが、ふと

「僕はもう君のただの幻」

という歌詞が聞こえてきて

なんかどっかで聞いたことあるフレーズだなぁとぼんやり思って

(歌詞が急に頭に入ってくることあるよね)

 

またまた元気に帰路でこの曲を聴いていて、薄暗い空を眺めつつ歩いていたら、突然

ガラコンで公生が歌う「♪さよなら、母さん」の「あなたは僕が作り出した 幻」という歌詞を思い出し「えっ……!?」と声に出してしまいました

 

え、今、なんて?

 

急にエモさが増した

 

劇中で最初に公生がピアノに触れ、母親への苦しい想いを歌った曲に

「僕はもう君のただの幻」

 

劇中で公生がはじめてお母さんの気持ちを理解し、お母さんと仲直りをして美しくお別れをした曲に

「あなたは僕が作り出した 幻」

 

そっ そんなミュージカル上手いことある〜!??????ありがとう世界…………

 

全くうまいこと言えないな

 

前者は

「あなたが愛してくれた僕はもういないよ、お母さんが見ている僕は昔の僕で、今の僕はそうじゃないんだよ……」という公生の心の叫び……


あなたが愛した僕はもう居ない、と過去の自分の存在を自ら消してしまう意味での「幻」でもあり


今の自分は実在するのに、もう母親に見てもらえない(物理的に)、実在するけど居ないも同然(精神的に)(?)、という意味での「幻」

なのかなと思いました

 

そして後者は

思い出すのは厳しい母親の姿ばかりで、自分が殺してしまった、幸せになってはいけないという思いに縛り付けられ、公生自らが生み出してしまった「幻」…………


「あなたは僕のことを愛してくれないと思っていたけど、厳しさは愛の裏返しで、本当はたくさんのことを僕に残してくれた、愛してくれてたんだね…」と気づいたんだね公生は

 

今まで思い浮かべていた厳しいお母さんは公生が悲しみから作り出してしまった幻で、本当の心の中にいたはずのお母さんはそんな姿ではないと…

 

そんなうまいことあるの…………

 

全然うまいこと言えないけど、この「幻」の使い方…?伏線回収?がとても上手だなと思いました………………

 

あと「♪さよなら、母さん」の該当歌詞が最後の方ではさらにレベルアップし

「僕が作り出した 悲しみの亡霊」になるのもすごいなと思います 好き

 

は〜〜〜〜本当に良いミュージカルだ……

ずーっとこのミュージカルの話してたい

すればいいんだけどね。

 

この話おわりです


※7/10追記

待って終わらない 終わらないです


ここまでの文章、既にちまちまと追記した部分があるんですけど

この先さらに加筆します


冷静に考えて達成公生の歌声で「僕はもう君のただの幻」って聴いたことないな、と思って


上演バージョンの「♪僕にピアノが〜」を自分で歌いながら(アーカイブ終わってしまったからね)歌詞カードとにらめっこしていたんですけど


「僕はもう君のただの幻」って、上演バージョン歌ってないじゃないか!なんなら割とその辺りカットされていたんですね 全く気づきませんでした


言われてみれば観劇しながら「こんなにスピーディーだったっけ」「こんな短かかったっけ」と思っていたけれど、テンポ速くなってるからかな〜と適当に納得してみたり

(そもそも上演中はなんかもうそれどころではなかった)

しかし改めてコンセプトアルバムの歌詞カードを見てみると

(お手元に歌詞カードをご用意ください)


2ブロック目

僕にピアノが 聞こえないなら

この世界には 何が残る

どう生きて行く 絶望を抱えたまま

僕にピアノが聞こえないなら

あなたは僕のこと 許せるのか

あなたが残してくれた全てを失って


上演版では

僕にピアノが聞こえないなら

あなたは僕のこと 許せるのか

あなたが残してくれた全てを失って


だけでしたね…!



そして3、4ブロック目(左下と右上)


まるでメトロノーム 機械より正確

過去の栄光が僕を嘲笑う

この戦いいつまで続く

僕はもう君のただの幻

僕だけが飲み込まれる 白と黒の世界に

光さえ届かない 暗闇に溺れる


僕にピアノが 聞こえないなら

僕の世界は 静寂に飲み込まれたまま

死ぬまで苦しむだけ

僕にピアノが 聞こえないなら

どう償える もう届かないこのピアノ

あなたにも僕にも聞こえない


上演版では

まるでメトロノーム 機械より正確

過去の栄光が僕を嘲笑う


僕にピアノが 聞こえないなら

どう償える もう届かないこのピアノ

あなたにも僕にも聞こえない


すっごい短くなってる…!

えっ今の今まで全然気づかなかったです

(そんなことある?)

確かに公式先生が「世界初演のため、上演版と変わっているところがあるのはご容赦を!」みたいなこと言ってましたね!


CDにあって上演で消えた歌詞は


「僕にピアノが 聞こえないなら

この世界には 何が残る

どう生きて行く 絶望を抱えたまま」


「この戦いいつまで続く

僕はもう君のただの幻

僕だけが飲み込まれる 白と黒の世界に

光さえ届かない 暗闇に溺れる


僕にピアノが 聞こえないなら

僕の世界は 静寂に飲み込まれたまま

死ぬまで苦しむだけ」


ですね……意外と長い…!


この部分って歌詞が他の部分よりストレートに暗いのに、曲調がちょっと明るくてゆっくりなんですよね


やだもうワイルドホーンの業


でもこの部分がなくとも、公生の絶望と苦しみをひしひしと感じる演出と演技力


そしてこの部分がないことで曲としてより疾走感が出て、観た人を作品の世界観にぐっと引き込んでくれるんだ……

やだもうミュージカルが上手…………本当にありがとう……


CDに入っているフルバージョン、本当にCDとして形になってくれてよかった………



え 待ってください

ということは、この上演で削がれた部分の達成公生の歌声は未来永劫聴くことができないということですか


それは絶望



上演版CDくださいと散々言ってましたが、なんかもう

この世の君嘘ミュージカル関連のもの全てパッケージにしてください


あと私が「エモいやん…」と言っていたこの記事の主題、上演されたものを観ただけでは成立しませんね(涙)


今度こそ終わりです