ででの日記

好きな話は何度したっていいもんね

ハロルド・ピンターの「管理人」を読みました

11月下旬から上演される舞台「管理人」が楽しみです。

血の婚礼からあっという間でしたね。時が経つのがはやいことはやいこと。

kanrinin-stage.com

 

このポスター素敵ですよね。

「管」の「官」と「理」の「王」が左右反転しているところ。こういう細かいデザイン大好きです。ちぐはぐな文字にコンクリ打ちっぱなしの壁、そして彩度の低さ。ちょっと不気味で湿っぽい地下室っぽくて、ポスター見ただけで「面白そう!」って思いました。(人物の写真はもう少し彩度が高いほうがきれいに見える……とは思うけど!)

最初に出たポスターと後で出たポスターで彩度が違うのが個人的にツボです。目おかしくなったんかと思った。

もくじです。

ネタバレなし

管理人を読む前に

舞台「管理人」の公式サイトによると、ハロルド・ピンター不条理演劇の大家として名声と地位を得た人物なのだそうです。

「不条理」という言葉、知ってはいるけど私にはあまり馴染みはありません。普段「不条理」って言わん言わん。そして「理不尽」と何が違うんだろうと気になったので調べてみました。

 

「不条理」

1 筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。「―な話」

実存主義の用語。人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況。カミュの不条理の哲学によって知られる。

goo国語辞典より

 

「理不尽」

道理をつくさないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。

goo国語辞典より

うーん、ほとんど同じ意味のようです。「不条理」には哲学的な意味もあるんですね、知らなかった。言葉を見つめる角度によって意味やニュアンスが変わるの面白いですね。

試しに紙の辞書を引っ張り出して久しぶりに引いてみましたが、上記と同じようなことが書いてありました。そうなのかぁ。小中学生の時に使っていた辞書で内容が簡潔すぎたため、今回はネット辞書の言葉を引用しました。(10年ぶりくらいに開いたら付箋がいっぱい貼ってあって、思わず懐かしい気持ちになりました)

これは完全に私の主観ですが「不条理」のほうが規模が大きくて、道理の通らなさを複数人で織りなしているイメージがあります。一方「理不尽」は特定の個人に降りかかる道理の通らなさを表しているイメージ。

「不条理」は物事の事実に、「理不尽」は人間の感情にフォーカスを当てた言葉なのかな?と感じました。うーん、正解は分からないけど面白い!

 

管理人を読んでみよう

読んだ本はこちら

書 名:ハロルド・ピンター全集Ⅰ

出版社:新潮社

訳 者:喜志哲雄, 小田島雄志, 沼澤洽治

刊行年:2005年12月10日 *

*1985年刊行「ハロルド・ピンター全集」全三巻セットの新装版

今回も図書館にお世話になったのですが、本が綺麗すぎて「誰も読んでない…!?」と動揺しました。2005年に刷られた本なら納得の綺麗さです。

母が私より先に手に取っていたのですが、手渡してくれる時に「ねえ、この本すっごい字が小さいんだけど!」と驚いていました。「またまた、騒ぐほどではなかろうに……」と思いながらぺらっと中を覗くと、確かに字が小さくて笑ってしまいました。よくある四六判の本よりも少し小さいです。あと線が細い? 二段組で字が詰まっている(割に余白が多い)からそう感じるのかもしれません。そして血の婚礼よりもお話が長そうなので、適宜休憩を入れていきましょう。

 

短編がいくつか入っているだけかと思いきや、詩やエッセイ的な文章も収録されていました。今回は「管理人」以外の文章も読めたらいいな。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

【収録話】 ●短編 ○エッセイ

●部屋

●バースデイ・パーティ

●パーティの光景(詩)

●料理昇降機

○『部屋』と『料理昇降機』のためのプログラムノート

●かすかな痛み

●管理人

○自分のために書くこと

○劇場のために書くこと

解題

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「料理昇降機」とかすごく面白そうですよね。何を食べて生きていたら「料理」

と「昇降機」を組み合わせようと思うのか。ちなみに私が「料理昇降機」と聞いて思い出したのは、小学校にあった業務用エレベーターです。給食のワゴンを運ぶために使われていたから思い出したんだと思います。乗ってみたいという憧れがありました。出られなくなったら怖いから乗らなかったけど。

「劇場のために書くこと」は、パワフルすぎるカーテンコールの話が超おもしろかったので、冒頭だけでも読んでみてください。

その他エッセイ(?)・解説ページも面白かったです!充実の内容!

 

読むのにかかった時間:1時間くらい

わからなさ (文体):★☆☆☆☆

わからなさ (内容):★★★★☆

 

読んでみてまず感じたのは「想像よりも読みやすい」です。血の婚礼は言い回しや出てくる単語が聞き慣れなくて難しかった印象でしたが、管理人は言い回しも単語も現代の人が話しているものと大差ないと感じました。

でもやっぱりとても難しかったし分からなかった~。ひとりひとりが話している言葉は読んで理解できる。一文が文章として成立しているし、何も考えずに読むと会話が成立しているように感じる。それぞれの主張もなんとなくわかる。なのに、読み終わって「どんな話か説明して」と言われたら、首を傾げてしまう。ひとつひとつのパーツは分かるのに全体像が掴めない。モザイクアートを近くで見ているような物語でした。

最初は一文ずつきっちり読んで理解しようと試みていたのですが、途中で「泥沼にハマって出られなくなるわ」と感じてゆるやかな流し読みに変更しました。キャラクターの心の機微を追おうとしたけど難易度高かった。読んでいる途中で目が滑って「え、なんて?」とキャラクターに聞き返したくなることが多々ありました。早く生身の人間が演じているものを観たい…!

あとは、ページをめくる量と物語の進むスピードが全く比例しなかったのがおもしろかったです。ま~ったり進んだりその場をぐるぐる回ったり、かと思えば突然ダッシュをしたり。そんな感じでした。

「わかりにくかった」要因のひとつは、文中に指示語が多いことかなと思いました。演劇として上演されることを前提に書かれている文章なので必然ではあるけれど、指示語がありすぎてキャラクターが何をしているのか全然わからなかった。早く舞台観たいなー!しかし、この文章を読んでひとりの人間を立ち上げる役者ってすごいな…尊い職業だな……。

3人しか登場人物が居ないので必然的にセリフの量が多いのですが、本だと先のページまで目に入るので新鮮に驚きながら読み進めました。舞台管理人を観た後に、改めて本を開いたら「役者……尊い……」って泣くかもしれない。

 

この本の最後に注意書きがありますが、けっこう差別的な表現は出てきましたね。今回の上演でその表現が変更されるのかはわかりませんが、昔に書かれたものということを念頭に置いて観劇しようと思います。

 

物語って、話の本筋も展開も結末も存在することが多いと思うけど、ハロルド・ピンターってなんなんだろう。全然わからん。になりました。舞台で観るとまた違った視点で分からなかったり、逆に分かるところもあるんだろうな!とワクワクしました。

あと、舞台美術と小道具が楽しみです!色々細かそう!

 

舞台観終わったらもう一回読みたいです。

 

ネタバレあり

内容に触れた感想殴り書き

想像してたより会話が成り立っていたのがびっくり。でも、成り立ってると思いきや誰かが話の舵を切るので気がつくと「?」になってる。おもしろい。

ミックが想像よりもバイオレンスで震えてしまった…。けっこう…ひどいやん…。と思っていたら途中から突然優しくなる。アストンもデイヴィスも、キャラクター像がころころ変わるのが面白かったし分からなかったなぁ。

一番わからなかったのは、アストンがなぜあんなにデイヴィスに優しいのかというところ。家(家?)に連れてきて泊まらせてあげてるの優しいし、割と失礼な態度を取るデイヴィスに常に優しくて不思議でした。何が彼をそうさせたんだ。

 

最初はデイヴィスだけ支離滅裂なことを話しているのかな?と思っていたけど、デイヴィスの話も別にそこまで支離滅裂じゃなかった。ただ固有名詞が多い自語りがほとんどで、一見ストーリに関係なさそうな話をしているだけだった。なんなら可愛いおじいちゃんかもしれない…と思いました。

ミックは「触らぬ神に……」的な危うさのある男。でも途中から優しくなってて「え~わからん」になりました。家の内装について野望を語っているところは、たつなりさんが目を輝かせて少年みたいになるのかな、とちょっと微笑ましくなりました。楽しみだなあ。キャラクター紹介を読んだ時に「レオナルドに似てるのかな?」と思ったけど、レオナルドより全然バイオレンスそう……。怖…けど楽しみ…。

アストンは一番まともかと思いきや、一番(わけアリのベクトルで)とんでもない人かもしれない。と、アストンの語りを読んで思いました。ミックとアストンのちから関係(?)が気になるところです。アストンとミック、仲悪いんだろうなと想像していたけどそんなことはなく…なんだか常に想像を裏切ってくる展開でした。

 

あと一番おもしろいなと思ったのは、全員ほどよくお互いの話聞いてないところです。会話のキャッチボールができているところもあるけど、圧倒的に自分の話をしていることが多いところも。ジャンル違いのオタクの集まりかて。(※ジャンル違いのオタクが集まると「オタクであるという共通項があるため共感することはたくさんあるがジャンルが違うため内容はわからない」現象が多発する)

 

段まるごと1人のセリフということが何回かあって、ページをめくって思わず二度見してしまった。これ全部覚えて演じるのすごい……。ミックが野望を語るシーンやデイヴィスに契約(?)の話をするところとかすごく長いけど、ただ単語を羅列しているセリフなのがすごい。絶対覚えるの大変。誰が特に台詞が長いとかなく、全員平等にセリフが長いのがすごい。

 

セリフはあんなに長いのに、キャラクターの心の機微がほとんど分からなかったのが面白かった。唯一わかるのは怒りと、デイヴィスが抱えていた不安かな…。

 

あと間の多さが印象的でした。間の話が「劇場のために書くこと」の章だったか解説の章だったかに書いてあって面白かったです。

 

分からないというより掴めない物語だったけど、長台詞や間に動きが付くことで印象がガラッと変わるんだろうな~と思いました。小道具やセットを使った動きも多そうなのが楽しみ!

 

楽しみにしているシーンは鞄のやりとりです!

 

舞台管理人、無事に完走できますように。

 

おわり

ミュージカル「ルードヴィヒ」おぼえがき

2022/11/05マチネ
ミュージカル「ルードヴィヒ〜Beethoven The Piano〜」を観劇しました!

https://musical-ludwig.jp/

 

すごかった……!!!!!

このミュージカル、好きー!

人間と音楽が持つエネルギーってこんなにあるんだ、と圧倒されました。

 

これは観劇が叶わなかった人も是非配信で見てほしいなと思いました。登場人物が少なくて場面の転換がほぼないので、比較的配信でも見やすい内容なのではないかなと感じました!2時間ノンストップだしね。(2時間ノンストップの舞台すごすぎるけど…)

生配信が2回あって円盤も出るのすごい…!

円盤は完全受注生産なようなので、迷っている方は予約することを強くおすすめします!曲も演出も役者もぜんぶよかったです!

 

内容にたくさん触れます!全て個人の見解です!

 

韓国ミュージカルだけあって、音楽と物語の展開がパワフル。休憩なしの2時間なのがすごい。役者さんと演奏者さんたちの体力…!

2時間の中でベートーヴェンの幼少期から壮年期までの生涯を描いているのでスピード感がすごい。走馬灯のよう。観終わったあと少し肩の力が抜けたところで「なんだっけ…」となりました。観たものがすごすぎて!笑

なんかもう、最初から中盤までずっとクライマックスで、観てて息切れしてしまいそうだった。それくらいドラマチックで、人間が板の上を生きるエネルギーが凄まじくて、「観た」というより「浴びた」でした。

 

芸術劇場プレイハウスでの上演と知った時「絶対に人気なのに狭すぎる」と思いました。(パンフレット読んだら韓国ではもっと小さな箱でやっていたと書かれていました。そうだったのね、失礼しました…)

会場に着くと、たくさんの人がキャンセル待ちに並んでいて(もしかしたらすでに当日券持ってる人もいたのかも。公式サイト調べたけどいまいち分からなかった…)、とんでもないミュージカルだなと思いました。立ち見席もありました。

でも舞台上のセットを見た時に、この箱でやることの意義を(勝手に)感じました。

全体的にクラシカルな雰囲気で、真ん中にはその時代に使われていたであろうデザインのピアノ。そして木目調の床に溶け込みピアノをぐるりと囲む盆。

下手側には雑多に物が置かれたベンチにピアノ。その奥にはバイオリンとチェロを演奏するお二人。演奏エリアを優しく見守る大きなステンドグラス。

上手側には楽譜や雑貨で散らかった机と椅子。そして舞台の奥と手前をぐるりと繋ぐように築かれた上手側の階段。階段の下にはアーチ状の柱のようなもの(表現力ぅ…)が付いていて、そこを俳優がぐるりと回ったり、奥に捌けていったり。奥行きのある舞台の使い方が観ていてとても楽しかったです!

そして何より、上から糸で吊るされた長方形の木箱。階段のようにひとつずつ段差がついていて、ぐるーっと半円を描いていたのが美しかったです。ベートーヴェンの耳鳴りがしている時に、吊るされた糸にちょうど光が当たって「ピーン」とした耳鳴りが目に見えるようで面白いなと思いました。

光の当たり方によって、ピアノの白鍵と黒鍵に見える瞬間があってゾクゾクしていました。そしてゾクゾクしていたところ、物語が盛り上がったところで吊っていた糸が緩み、鍵がぐちゃぐちゃになって「うわぁ……最高…………」と思いました。そんな最高なことあるんだ。

あと、階段に5本のネオンライト(?)が付いていて五線譜のように光っているのが好きでした。愛だね。

奥行き狭めの小さめの舞台に、大きめなものがボンボン置かれ、全体的にぎゅっとしているのがドールハウスを見ているようでした。かわいい。ごちゃっとした空間と全体のコンパクトなサイズ感がルードヴィヒのリアルな生活を覗いているようで好きでした。

 

中村倫也さん

歌が!うまい!それはそう、知ってる…!

柔らかく優しい歌声の時もあれば、高く響く歌声の時もあれば、低くドラマチックな歌声の時もあり。もちろん同じ人物を演じているんだけど、曲ごとに声色や音色を自由自在に操っているようでした。その曲にとって1番聴き心地の良い声色で、ベートーヴェンの心情が表れるよう歌っているような。とにかくずっと歌が上手い……。五線譜の上をなめらかに滑るような歌声でした。

絶望、苛立ち、慟哭、相手が受け止められないほどの重い愛。ベートーヴェンにはたくさんの感情がありました。ぐちゃぐちゃな表情が本当にお上手〜やだもうありがとう…。

あんなに叫んでいるのにスッと歌に切り替えるのすごい。喉、すこやかであれ。

と思っていると急にぽやぽや可愛いくなったりするので気が抜けないなぁ(にっこり)と思いました。聴診器のシーン好きです。

ベートーヴェンあんな感じだけど、なんだかんだ側に人が居た時間があったのはあの佇まいがあったからこそだと思いました。

 

○木下晴香さん

歌が…!うまい…!!!それはそう…!

凛とした佇まいがかっこいいです。

絹糸のように伸びやかな歌声が素敵。小さな鈴がチリンと鳴るような可憐な歌声の中に、太いパイプが一本通ったような逞しさもあり、あの時代の女性のしなやかさと彼女自身の意志の強さを感じました。かっこいい……。うたがうまい…。

自分のやりたいことをするために道を考え、行動に移す。子供に愛を持って接する。苛立ちを抑えてルードヴィヒのためになることを言う。全部カッコよかったです。地に足ついたかっこいい女性でありながら、誰かに愛を向けずにはいられない姿がとても魅力的でした。

 

福士誠治さん

声が綺麗!素敵!

歌がうまい!

そして何役もくるくる入れ替わり自然体で演じ分ける姿がかっこいい…!器用……!

壮年期のルードヴィヒの時はちいちゃいお爺ちゃん、青年カールの時は背筋の伸びた若き青年。そういえば序盤は貴族?すごぉい…。役の入れ替わりのタイミングがころころあったのに、観ていて違和感なく、でもちゃんとどの役か分かるのすごいなと思いました。ルードヴィヒが2人とも舞台上にいる時があった気がするけど合ってるかな。すごくエモくて好きでした。

歌声がとても綺麗で魅力的でした…。中村倫也ルードヴィヒとのデュエットが特に好きです。ルードヴィヒの歌声は割と高めで細く伸びる感じなのに対し、福士誠治さんは太く芯の通った歌声で、ちょうどこう…いい感じに…福士誠治さんが引いた5本の線の上に、中村倫也さんが音符を描いていくような…そんなデュエットだったなと思いました。

 

○小暮真一郎さん

スタイリッシュ好青年…!歌がうまぁい…。

この作品のことをあまり調べずに観劇したので、青年役からそのまま作品に寄り添いピアノを弾き続け、また青年に戻る演出がとても素敵で面白いなぁと思いました。彼があそこでピアノを弾き続けていたから、バイオリンとチェロのお二人もただの伴奏ではなく物語の一部として溶け込んでいるように感じられたのだと思います。

小暮さん本当に一生ピアノ弾いててすごい。私はピアノを弾けないので細かいことは分からないですが、歌唱の伴奏曲とベートーヴェンの曲を交互に(もしくは融合させて)弾いてるのすごすぎると思いました。素敵だった〜……

 

○高畑遼大さん

すっごいもう!歌〜!うま〜!

まさか子役さんがこのミュージカルの歌唱一発目だと思っておらず、びっくりしてしまった。そしてうますぎてちょっと泣いた。そんなうまいことある?

幼少期のルードヴィヒ可哀想………可愛かった…。

そしてまさかその後に…名前忘れちゃった…。ピアノ教えてほしい男の子と、カール役であと2回出てくると思ってなかった。3役演じ分けがすごい!

ルードヴィヒのピアノを聴いてすごいすごい!ってパチパチ手を叩いて喜んだり、ルードヴィヒと鬼ごっこをしたりとても可愛らしかったです(そして歌のうまさ大人っぽさのギャップに泣く)

三役ともルードヴィヒに怒鳴られっぱなしだったので、舞台裏ではみんな仲良くあってほしいし可愛がられてるといいな…。(倫也さんがぽやぽや話しかけてるのが目に浮かんで微笑ましい)

 

○あと好きなところおぼえがき

 

聞こえなくなる演出うますぎる。まさかあんな序盤で聞こえなくなると思ってなくてびっくりしちゃったんだけど、話し声が歪んで遠くに聴こえて、キーンと耳鳴りがするのがリアルで「うわ〜〜…」になりました(褒めてる)

聞こえたものが聞こえないという状況をこうして観客も体感できるとルードヴィヒが感じる苦悩を少し分かるような気がしていいですね。好きです。

 

回想で物語が進むの好きです。大きくなったルードヴィヒと幼いルードヴィヒが抱き合うところとか。「あの時救えなかった自分を大人になって救ってあげる」的な描写に胸が熱くなりました。

あとルードヴィヒが幼い頃に受けた虐待を結局自分も同じようにカールにしてしまっているところとか

ピアノ教えてほしい男の子とやった鬼ごっこをカールとまたやるところとか

好きです!そういうの好き!人間って根本的には変わらないんだな…。

あとあれ!1人がしゃがんでもう1人が後ろに立ってるとこ!最初は倫也さんがしゃがんで福士さんが立ってるのが、カールとルードヴィヒになると逆転するのが好きでした!

 

ルードヴィヒかわいい

地獄!地獄!地獄!の中にぽやぽや可愛いシーンがあって嬉しかったぁ

まず鬼ごっこのシーンでしょ。最後に足痛いふりして子供捕まえちゃうところまで賢くてかわいい。

あとピアノ弾いて聴かせてあげるシーン。「すごいだろう!ベートーヴェンだからな!」と自慢げに月光第3楽章弾くの良すぎる(ジャッジャーンのとこまで聴きたかった)

あと聴診器のシーンも可愛かったし…田園の紹介で後ろで腕組んで足上げて踊るとこ(?)も可愛かったし…。

耳聞こえなくなって苛立ちが増して、(聞こえないから)動きも声もデカくてちょっと怖かったけど、意外と大丈夫なふしぎ。全体的にぽやぽやしてるからあんまり怖くない。そして悟りを開いた後のぽやぽやルードヴィヒとても可愛かったな…。

 

可愛かったと思いきや、指揮のシーン超キマってるし、絶望に打ちひしがれてるのが似合いすぎるし…最後までずっと良い!もう書ききれない、割愛!

 

ルードヴィヒ、紙を投げるのが異様にうまい。パッと上に投げてヒラヒラ〜と楽譜が舞ってるの綺麗でした。なんであんな上手いん?ピンポイント技能すぎる。

 

1番「うわぁん…」ってなったところは、音が聞こえなくなったルードヴィヒがピアノに耳をつけて音(振動)を聴きながら体の中で鳴っている音楽を譜面に起こすところ。まずピアノに耳をつけているところで切なくなっちゃった…。細かい…。

譜面書き起こしてるうちにピアノに触れなくなるんだけど音は鳴り続けていて、ルードヴィヒの中で音楽が鳴っている事実を体感できて面白かったです。演出うま!!

 

基本的にピアノとバイオリンとチェロの音が鳴ってるけど、意外と現代的な音が鳴ってる時があってびっくりしました。でもそれが韓国ミュージカルっぽーい!とも思いました!

例えば舞台映像にも残っているルードヴィヒが上着脱ぎながら「聞こえない」ってやるところ…(?)

パン!パン!が現代的でちょっとびっくりしました。おもしろ〜い!

 

ライティングが素敵。下手側のデスクにルードヴィヒが座って耳鳴りがするところ。楽譜に細い光が何本か刺して反射しているのが綺麗でした。細い光が耳鳴りのようで、楽譜に反射して真っ白に光っているのが、ルードヴィヒの音楽の聴こえない絶望を強調していて切なかった。好き〜!!

 

役者5人(ほぼ3人?)で回してるのにこのパワー。人海戦術で音楽に厚みのあるミュージカルも好きですが、登場人物の少ないミュージカルも好きになりました。すごい…!

演劇と歌唱パートの境目が割とはっきりしている印象で「音楽劇」っぽいなと思いました(ミュージカルと音楽劇の違いよく分かっていないけど)

一曲が長すぎず聴きやすくて好きでした。なんか韓国ミュージカルの曲って日本人が好きそうなメロディー多いですよね…ありがとう…(韓国ミュージカルフランケンシュタインしか見たことないけど)

全員の演技と歌がエネルギッシュですごかったなぁ…。良い舞台だったなぁ…。歌がうまいなぁ…。これ円盤あるの嬉しいな…。

 

2階席だったのですが、なんか4曲くらい爆音でどうにかなりそうでした。私だけ?

セリフも歌声もよく聞こえて助かるなぁとは思っていたのですが、あまりにも爆音すぎて「ルードヴィヒの!耳より!先に!私の!耳が!終わる!!!!」と耳を塞いでしまいそうになる瞬間がありました。録音の音楽が流れてるところだったのかな?音割れもしてた気がするけど、もしかしたらそういう演出かもしれないし私の耳がおかしかったのかもしれないし、そもそもそういう曲だったのかもしれない。謎でした。歌詞とセリフが聞き取れないこともありました、爆音すぎて。

おっきかった〜、音!!

だからこそ2階で存分に音楽を浴びられたのはある。円盤で歌詞とかセリフとか細かく聞き取れたらいいなー!

 

受注販売ではあるけど、劇場で円盤を予約できるのいいですね。観る前から円盤があると分かっている安心感。そして観劇後の1番テンションが上がっている時にそのまま予約できるという運営にも観客にもメリットしかないシステム。最高!

予約してる方たくさんいらっしゃいました。ミュージカルの円盤、なかなか出ない世の中だけどやっぱり需要あるよね。そうだよね。

あと円盤が送られてくるのは7月ごろみたいだけど、その前に1月に特典が送られてくるのすごい!ホスピタリティ!ありがとう!!運営さんすごい頑張ってる!ありがとう…!

 

ルードヴィヒ、とても好きなミュージカルでした。円盤ある!ばんざーい!

 

おわり

 

 

片岡芽衣ちゃんのライブ「えがおのたね」に行きました!

ミュージカル「四月は君の嘘」がきっかけで存じ上げた役者さん、片岡芽衣ちゃんのライブ「えがおのたね」に行ってきました!私は夜の部!

すっごい楽しかった……知らない曲ばっかりだったけどとっても楽しかった……!※知ってる曲、君嘘メドレーだけだった笑

君嘘で歌声と笑顔が大好きになりましたが、今回のライブでさらにめいちゃんの色んな魅力を知ることが出来て嬉しかったです。めいちゃんはくまのがっこうのミュージカルぶりでした。くまのがっこうの鳥さんの役、カッコよかったな…みんなのお兄さんって感じで…。

今回のライブではじめましての方も魅力的でしたし、君嘘ぶりの露詰茉悠さんと角田萌夏さんも最高でした…。あと血の婚礼で子供ちゃんだったChikoさん!かっこよかった~!

ライブはなんと2時間超え!でもあっという間でした。楽しすぎて!

君嘘メドレーもあって、君嘘の亡霊になっていた私の魂がすこし救われました。

そして小澤時史さんのピアノと赤星鮎美さんのバイオリンが生演奏で豪華でした。

↑豪華~!いい写真!

 

セトリ順に感想を書きたいんだけど脳内が「ハッピ~楽しい~」だったので色々間違えているかもしれない。

<1>

1.私が生きてこなかった人生「Sister Act」より

めいちゃんのソロ!

初めて聴きましたが、THE!ミュージカル!なドラマチックな曲でした。めいちゃんの澄んでいて伸びやかな歌声が本当に綺麗だった……衣装も可愛いかった…うた…うま……と見惚れてしまいました。一曲目からミュージカル度100%ですごいもう好きが止まらなかった。楽しい~~~~!

 

2.Opening Up「ウェイトレス」より

ソロに惚れ惚れしていたら、めいちゃんが突然みんなを呼んで、みんな出てきた!椅子を持って…!かわいい~さいこう~!椅子などを準備している間「調子はどう~?」「まあまあかな~」みたいな会話してて可愛かった。ミュージカルだ~~!(この会話のこと後で小澤さんがいじってて面白かった。なかよし)

カフェ?レストラン?の店員さんとお客さんがいて「始めよう~」みたいなことを歌っている歌でした。

可愛かった~~!椅子に座ってダンスをしたり、時間にまつわる歌詞のところで腕で90度を作ってチクタクしたり!めっちゃミュージカルでした!さいこう!こんなにミュージカル見せてもらっていいんですか、楽しすぎる。めいちゃんがコップにお水注いでいる振り付けしてたのとても可愛かったです(全員可愛かったです)(褒める語彙、可愛いしかないんか)

曲紹介はMCでめいちゃんがしてくれるのですが、聴いた後に「ウェイトレスからでした」ということが分かって、なるほどな!になりました。だからお店屋さんの振り付け!そして振り付けはChikoさんがされたそうです。かわいい振り付けをありがとうございました…もう一回見たいです。さいこう。

 

3.夜は必ず明ける「GHOST」より

めいちゃんのソロ。ちょっと切なくてドラマチックな曲でした……。歌っているときの切ない表情が魅力的でした。めいちゃん…そんな大人な表情…。はぁ~……とため息ついちゃった。いいな……

 

4.Taylor, the latte boy

めいちゃんお着替えタイム!そして菊池愛さんのソロタイム…!歌声が綺麗でした…

待ってこれめっちゃ面白かったんですよ(面白かったとか言ってごめんなさい)

この曲はスタバでの曲なんですけど、毎回「おはよう」と言ってくれる男性がいる…みたいな…曲で…(すみません雑で)

ピアノの小澤さんがマイクをしっかり準備していて、菊池愛さんが歌っている合間合間に小澤さんが「おはよう」とセリフを言っていてとても絶妙でとてもよかったです。楽しすぎる。

菊池愛さん、スタバでの光景がありありと浮かんでくる表情と歌声でした…!素敵…うたうま…さいこう…

 

5.Candy Store「ヘザース」より

めいちゃん、露詰茉悠さん、角田萌夏さんの君嘘メンバー!うれしー!

お洋服が赤と緑と黄色で、3人ともチェックのスカート!学生感!

可愛い感じで始まるのかなぁと思ったら、大きめの黄色いベストに身を包んだ角田萌夏さんがゴリゴリにかっこよくキメてらっしゃって最高でした。ギャップ!

角田萌夏さん、ちいさくて可愛らしくて君嘘の時も可愛らしいイメージの方だったので、大人でカッコいい歌声のギャップが最高でした…!存在感!

露詰茉悠さんカッコよかった……強い女最高~~~~ダンスキレキレ!さすが君嘘のダンスリーダー。力強い歌声最高…。あともう衣装の着こなしがすごい、かっこいい。

めいちゃんかっこいい~!切ない曲も元気な曲もなんでも歌えるんですか…曲によって歌い方も表情も変わるの…最高?そしてめいちゃん、学生っぽいお洋風本当に似合う。(インスタかTwitterに載せてた私服めっちゃ好きです)(どれ)

3人ともとても楽しそうで、見ていて楽しかったです!!

 

6.Turning my life around

めいちゃんと菊池愛さん!無限に歌がうまくて何事かと思った。

うますぎてちょっと怖くなった。

 

7.四月は君の嘘メドレー

すご すごかった

まずピアノとバイオリン生演奏なのが冷静に考えてすごい。公生とかをちゃんじゃん。

めいちゃんがSNSに「公生もかをりも椿も全部やります」的なことを書いていて(投稿見つけられなかったごめんなさい)「そんなわけあるか~い」と思ったけどそんな事あった。すごすぎ。あと始まる前に小澤さんがマイク準備してて「!?」だった。そんな君嘘メドレーのセトリはこちら

  1. 僕にピアノが聞こえないなら
  2. 何を告げればいい
  3. 月の光
  4. さよなら母さん
  5. 流れ星をつかまえよう
  6. Speed Of  Sound
  7. 旅に出よう

月の光以降の順番は自信ない…多分どこか入れ替わってる。あと抜けてる曲あるかも…。

 

まずメドレーの前奏が、1幕始まりの公生とかをちゃんが手紙を読んでいる時に流れている曲で感動しました。蘇る記憶……。

えー!初めから有馬公生!!!!と衝撃。そして歌がうまい……めいちゃんの歌声で始まる「なぜ聞こえない…」すごく綺麗だった。とても綺麗でした…めいちゃん…切ない表情も素敵…。女声でこの曲を聴くとまた違った印象でした。滑らかで綺麗だった~

「何を告げればいい」は椿の「大丈夫ひとりにしない」のとこからでした。えーん、好き…!めいちゃんの歌声無限に伸びて無限に広がっていく…すごい…月の光もとても綺麗でした…。…。「僕にピアノが〜」からの「何を告げればいい」はさすがにオタクを仕留めにきてると思った。

さよなら母さん本当に歌ってたっけ…幻だったかもしれない…※幻じゃなかった

まさか聴けると思ってなかった曲ナンバーワンでした。ありがとう…ありがとう

ピアノの小澤さんが出てくるの「流れ星をつかまえよう」でした。最高でした。公生の「僕にはまだ無理だ」(※そのあとかをちゃんの「もうひとりじゃないよ」が続くとこ)でした。なるほど。良すぎ。手を叩いて喜びそうになってしまった。ちょっとおもしろかったです(おもしろいとか言わないの)小澤さん良い声…。

そしてこの曲やっぱり元気になりますね!めいちゃんの歌声で聴けて嬉しかった~!しっとりした曲ももちろん素敵だけど、爽やか元気な曲もめいちゃんに似合ってて最高!

露詰さんと角田さんも合流してSpeed Of Sound~!最高~!最初のwow wow~!楽しかった~!楽しそうすぎて最高でした。Candy Storeで学生っぽい衣装に着替えて君嘘メドレーだったの、なるほど~!天才?

そして最後の旅に出よう。めいちゃんの歌声がね…澄んでて綺麗で切ないけど力強くてね…最高でした…。

これがすごかったの。めいちゃんが歌い終わってから「again」とつぶやいて、本当にまたバイオリンの演奏が始まったんです。そしてピアノも途中から合流して、最後まで弾ききって終わったんです。君嘘の1幕の終わり方と同じだね。なんて愛のある演出なの。すごいね…。

素敵な演奏をありがとうございました。めいちゃん色んな曲選んでくれてありがとうー!全部最高でした!8分超えのメドレーすごすぎる。こんなに曲数聴けると思ってなかった。

そして2022年情緒が最もおかしかったあの頃を思い出しました。

あっという間の前半でした!さいこう!

 

(休憩)

 

<2>

8.夜明けを口ずさめたら上白石萌音

めいちゃん、川村咲季さん、Chikoちゃん。めいちゃんと川村さん、きれいな歌声……本当にうたがうまい……何事…。こういう伸びやかな曲ずっと歌っててほしい……。

Chikoちゃんのダンスかっこよかったです。すごいなぁ…

 

9.Only love

めいちゃんがMCで「いつも、ハッピー!みたいな曲が多いけど今回は大人になったからラブソングも入れてみました」的なことを言っていました。(ニュアンスでごめんね)素敵~~~~!大人でしためいちゃん…

前回のえがおのたね、20歳のお誕生日にやったんですって…すご、行動力。高校生の時にも自分で企画してライブしてるんだって…すごいね…。

そしてMCで各出演者さんの紹介(馴れ初めの紹介)をしてくださって、とても親切。歴代アニーです!とかずっと仲良しです!とか実はこんな共通点が!とか…!皆さんいろんなところで活躍されていてすごい…。みんな仲良しで見ていて幸せでした。

 

10.きっかけ 乃木坂46より

めいちゃんのソロ!歌うま~~~~。聴いたことあると思ったら乃木坂の曲でした。めいちゃんの歌ってる時の表情すてき…。なんか、君嘘で制服ずっと着てためいちゃんが不思議に思えてきた瞬間でした。

 

11.The Rose

Chikoちゃんのダンスタイム!かっこいいー!小柄なのに存在感がすごい。

血の婚礼でこどもちゃんだった面影はどこへ。人間そんな体の動きできるんだ…と思いました。指先からつま先までしなやかで綺麗だった…Twitterに投稿されてるダンス動画も素敵ですよね…

 

12.Zero To Hert ヘラクレスより

かっこいー!!!めいちゃんと山下凜さんと黒川桃花さん!

黒い衣装にお着替えして3人でかっこよく歌い上げていました。かっこよかった…

えっ全員うたがうまい。こわい。かっこよかった。

MCでめいちゃんが「1ライブ1桃ちゃん」「昔はもっとぶっ飛んでいた」と話されているのが印象的でした。黒川桃花さん、背が高くてすらっとしていて歌声がかっこよくて、笑顔が素敵ー!そしてなんか陽キャのオーラを感じました!居るだけで場が明るくなるような…!

山下凜さん、お名前のとおり(?)涼やかな佇まいで、あんなに格好良くて歌がうまいのずるい。すごい…。

この曲を聴いてめいちゃんのカッコいい役も見てみたいなと思いました。

 

13.Let me be your star

めいちゃんと萌夏さん!素敵なデュエットだった~……選曲ぜんぶ最高…。

めいちゃんと萌夏さんめっちゃ大人だった…制服着てたりこどもちゃんだった二人はどこへ…。

 

小澤さんと赤星さんの演奏コーナー

す~~ごい素敵でした…。聴いていて心地よかったです…。バイオリンの音色がこんなに綺麗って知りませんでした。

小澤さんが若いころ(19歳でしたっけ…)に作った曲なのだそうです。曲名忘れてしまいましたすみません。シルクの布が風になびいているような、なめらかなメロディーが心地よい曲でした…。(この言い回し絶対何処かで使ったことあるな…)とても素敵でした。

そしてめいちゃんがこの演奏コーナーの前に「小澤さんと赤星さんはご夫婦」と紹介してくださったんですけど、早く言ってよ、めいちゃ~ん!笑

ピアニストとバイオリニストのご夫婦、素敵すぎる。そしてめいちゃんがご夫婦の双子くんのベビーシッターをされることがあるらしいです(多才!!)。家族じゃん…。ライブが終始あたたかな雰囲気だったのはそういうことだったんですね。贅沢な時間だったなあ…。

 

14.I see Stearsミーン・ガールズ」より

みんなで!めっちゃミュージカル!爽やかでのびやかな曲だった!気がする!

えーん最高だった~!終わらないで~~~~

 

アンコール

えがおのたね

えがおのたねの他にもう一曲あったのだけど忘れてしまった……。えがおのたね~!めいちゃんが作詞、小澤さんが作曲したのだそうです。素敵だった…かわいくて、聴いていて「頑張ろ!」と思える曲でした!えがおのたねいっぱい撒いてもらいました。(めいちゃんが「撒き散らす」とかちょっと面白い感じでMCしてたのツボでした)

めいちゃんも小澤さんも「3年前に作った曲だから恥ずかしいと思ってる」って話が微笑ましくて好きです。

そしてこの時の衣装がキラキラで華やかだった…!一番キラキラしてたの下田さんの紫色のジャケットだったのめっちゃツボだった。全体的に下田さんがずっとツボでした。良すぎる。何者。インスタでよく見る下田さん。

 

……たのしかった!!!!

めいちゃんの愛と人柄がたくさん詰まったライブでした。まずこれだけゲストの方を呼んでしまうめいちゃんすごいなぁ。

ピアノとバイオリンが生演奏ということもあり、歌をしっとり聴き入るライブだと勝手に思っていたのですが、手拍子したくなる瞬間がたくさんありました!というか手拍子した!たのしかった!

セットリストの中では君嘘メドレーしか知ってる曲がなかったんだけど、最初から最後までずーっと楽しかった!

まず衣装チェンジが多くてびっくり。最初のナチュラルなワンピースから学生服風へ、ドレスに、黒くてカッコいいお洋服に、赤いスカート&白いふわふわカーティガン→キラキラの赤いドレス!何着…!?すごい!

曲の雰囲気と演出に合わせて衣装やアクセサリーが変わっていてこだわりを感じました。最高~!ゲストの皆さんも出てくるたびに衣装が違くて最高でした。

ひとりでしっとり歌う曲もありつつ皆で賑やかにミュージカルする曲もあり、最後に鬼盛り上がりのダンス曲あり!ずっと最高でした…。これを1人で立ち上げて色んな人と協力して創り上げてしまうめいちゃんすごい。一生推しますBIG LOVE。

ゲストの皆様も多才な方ばかりで、全員歌が上手でダンスが上手で…なにより楽しそうで、幸せな気持ちになりました。この世の才能全部ここに集まってた?

このライブでお目にかかれてよかった…!機会があれば出演作観に行きたいです。

 

そしてめいちゃんを知るきっかけとなった「四月は君の嘘」の曲をまた聴けたこと、出演されていた方の歌声をまた聴けたこと、本当に嬉しかったです…!直接感謝を伝えればよかったぁ……。

そして血の婚礼でこどもちゃんだったChikoさん。「可愛かったです&婚礼と糸玉の歌めっちゃ上手でした」って直接伝えればよかった…。

 

えがおのたねに出演された皆様がこれからも舞台の上でご活躍されることを願っています。

 

スーパーハッピーな気持ちになれたライブでした。

めいちゃん、楽しい時間をありがとうございました!

次回あったらまた行きたい!

 

おわり

 

舞台血の婚礼 東京公演完走おめでとうございました

舞台血の婚礼、誰1人欠けることのない完走、本当におめでとございます。そしてお疲れ様でした。

なんか……考察もたくさんして文章に残していたんだけど、東京千秋楽を観たらどうでも良くなってしまった。

 

キャラクターそれぞれの心の機微について考えることも楽しかったし、演出も何度見ても楽しかった。でもやっぱりこの舞台の一番よかったところは、汗と土にまみれながら、生身の人間が肉体と言葉と感情をぶつけ合っていたところだと思います。

こんなに人間が感情を200%放出して、目の前の人に何かを伝えようと、自分の想いを曝け出そうとしているのは初めて見ました。あんなに激しい肉体のぶつかり合いも。

原作を読んだときは詩の部分は一文が短いのもあって、淡々とした印象でした。それが三次元になって、生身の人間が肉体と言葉と感情で表現したらああなるんだという。とても良いものを観られたな、良い体験ができたなと思いました。観られてよかった。

 

そしてこの舞台への印象は「安定」でした。公演毎の違いはあまりなくて、レオナルドと花婿が少しずつ変化したかな?くらいな気がしました。(※個人の感想です)

初日は荒々しく棘のあったレオナルド。だんだん妻に優しくなる瞬間が増えて、その分哀しさも増していきました。ただのひどい男だけではない、たくさんのものを背負った人間でした。そして千秋楽に近づくにつれて、また初日のように荒々しい姿に戻っていったのが印象的でした。

花嫁とのシーンでは、最初の方は「俺について来い!(自信満々)」みたいなイメージだったけど、回を重ねる毎に自分が殺される未来を察して、花嫁とふたりきりの時間を切なく愛おしく「この時間が終わらないでほしい」と想っているようでした。

花婿は最初は「良い子」のイメージが一番強くて、自分の感情を全て押し殺している人という印象でした。それが公演を重ねていくと、最初の母親とのシーンで少しずつ怒りや苛つき、母親への反抗が見える瞬間が増えたのが印象的でした。

花嫁はあんまり変化は感じなかったけど、全体的に感情表現が激しい日とそうでない日があったように思います。

花嫁はキャラ的に1番「?」が多くて、悪い印象を持たれるキャラだったなぁと思います。それを1人で背負って舞台に立ち続けたあかりん、本当にすごいと思います。オフショットの笑顔を見るたびに嬉しかったし安心した……。千秋楽直後のコメント動画での涙が彼女の背負っていたものの大きさを物語っていますね。

「終わってよかった」という言葉を聞いて若干泣きそうな表情をしている達成さん……。ふたりで支え合ってこの舞台を駆け抜けたんだろうな……。

 

安蘭さん演じる母と月。いつでも安心安全。序盤のシーンの母の「ごめんね」が毎公演違うのが印象的でした。

千秋楽で月の登場が拍手喝采で良かったです。

 

レオナルドの妻、そして樵の南沢奈央さん。妻の時は弱々しく何か(レオナルド)に怯えている&母としての覚悟の両方を併せ持っていてカッコよかったです。最後の「美しい馬の乗り手だった」と宙を見上げる姿が好きです。

そして樵になったら少年のようなしっかりした発声で、最初は誰が演じてるのか気づかなかったです。かっこよかったな。

 

パンの若者。なぜか釘付けになってしまう。どんどん上手になってた…!婚礼のシーンで謎に花婿の母親と気まずくなって「あ、ども…」ってなってるシーン大好きでした。

 

こどもたち。3人とも歌も演技も上手でした。ちこちゃんのお姉さん、大学生?だけどちゃんと子供で、わざとらしくなくてすごかったです。3人とも可愛かったなぁ。婚礼のシーンでHAMAさんと麦さんの間を抜けて走るところが可愛くて好きでした。

 

花嫁の父。いやそんな陽気で愉快なおじいだと思ってませんでした。花嫁と真逆!最高!さすがとしか言いようのない佇まいと演技でした。婚礼の時の歌がめちゃ好きです。踊ろうとしてタオル落としちゃった回があったのLOVEでした。

乞食役も、恐ろしい存在なはずなのにどこまでも可愛くて好きです。愛おしい。

 

村の女と女中さん。可愛さと面白さが詰まったお二人で大好きです。千秋楽では村の女はより面白く、女中はより可愛らしくなっていて最高でした。

 

千秋楽の花嫁とレオナルドの逃避行、いつも通りとても良かったです。公演期間の途中から、溶け合わすところが立ちから膝立ちになったのが好きでした。膝立ちだと、広い舞台の上にちんまりと2人だけで、より「ふたりの世界」を感じて好きでした。

それにしてもあのシーンを毎公演安定して演じていたのすごいな……。何回か滑ってしまったり、握るはずの手が抜けてしまったり?ハプニング回があったようですがレオナルドがカバーして乗り切っていたとか…観たかったな…(観た回全部ノーミスだった)

最初のスローモーションの美しさもすごいし、そのあとくるくるっと回ってドン!とスピーディーに2人の掛け合いが始まるのが大好きでした。息切れせずに動きながら台詞を言うの凄すぎる。本当に大きな怪我なく千秋楽を見届けることができてよかった。

あの一戦だけで大変なはずなのにこのあと花婿ともう一戦交えるレオナルドすごすぎる。泣いちゃう、私が。

 

千秋楽のレオナルドと花婿の決闘、すごかった気がする………。レオナルドが足を怪我した後の動きが凄すぎて、私は彼が本当に怪我をしたんじゃないかと思って、ちょっと泣きそうになりました。普通にカテコ走って出てきて「よかったー」と「嘘やん」が同時に来ました。演技だったんあれ。

脚を刺される前に右足怪我してる気がするけど、レオナルドいつのまに…と毎回思ってました。あと脚を刺される時の脚の角度が好きでした(何?)。

花婿が登場した時の表情が本当に怖くて最悪で最高でした。

 

決闘シーンを見て、やっぱりレオナルドの一人勝ちだなと思いました。

花婿は結婚するつもりだったのに結婚できなかったし、嫁取られてるし、奪い返そうとして奪い返せず死んでしまった。

レオナルドは束の間ではあったけど、花嫁とふたりの時間を過ごすことができた。愛し合って、ふたりで同じ未来を見据えることができた。花婿が来てからも、レオナルドは花嫁を守ろうと闘うことができた。結局殺されてしまったけど、レオナルドは花嫁と愛し合い、花嫁を守ったところで人生を閉じることができた。

やっぱり1番可哀想なのは花婿ですね……。何も残ってない……。残された花嫁のことはどうしても可哀想と思えないけど、これから生きるのきっと大変。がんばれ。

あ、でも1番可哀想なのはレオナルドの妻か。そもそもフェリックス家の人間ではなかったのに、レオナルドと結婚したことでフェリックス家の1人として世間に見られているし。夫には愛されないし、その夫は殺されるし、子供2人を抱えて生きていかないといけないし。「元カノと結婚式当日に駆け落ちした男の嫁」として見られるからきっと生きるの大変だし……。

うーん、でも、キャラクターそれぞれの立場になってみると、全員可哀想。どのキャラクターの目線になるかによって、見方の変わってくる舞台だなと思いました。おもしろかった。

婚礼の日が悲劇の始まりではなく、そのずっと前から、それこそこの土地に各々が生まれた時から悲劇は始まっていたのかなと思いました。

 

やっぱり木村達成さんのことは全然分からないなと思いました。それが彼の魅力だなと思うのですがね…!

レオナルドという役を、この身体的に大変であろう舞台を、一体どういう気持ちでやっていたんだろう。たのしかったかな、辛くなかったかな…と無駄に心配してしまう。もちろん彼はプロだからそんな心配は杞憂だと思うけど。血の婚礼はオフショットとかラジオとかその他諸々が豊富で、役者さんたちの仲良しな様子がたくさん伝わってきて嬉しかったです。それが無かったらこちらの情緒おかしくなってたと思う。邦生の部屋で大笑いする姿を見られて安心しました。

 

そんな折に達成さんがステージぴあ(https://r.binb.jp/epm/e1_260169_01092022113217/)で言っていた言葉がとても好きだったことを思い出しました。

ー舞台経験豊富な木村さんが、カーテンコールに悩むとは意外でした。

木村 すごく悩んでます。最後にお客さまの心にはんこを押す役割ですから、カーテンコールは大切ですよ!

お客さまの心にはんこを押す役割。なんていい言葉。これを読んだ時、そっか、カーテンコールって私たちが感謝を伝える場だと思っていたけど与えられているのは私たちだったんだ、と驚きました。カーテンコールに対してそんな風に考えてらっしゃったんだ…とじんときました。

君嘘の時はハッピー仲良しカーテンコールで毎回挨拶もあって、観客の心をほぐしてくれるようなカーテンコールでした。

今回は終始凛とした表情で、作品の世界を壊さないよう、観客が感じたものを崩さないように徹しているカーテンコールだなと感じました。

どちらも素敵。

そして千秋楽はスタオベありの全5回。そして5回目で達成さんが顔をギュッとしてらっしゃるのを見て、初めて心の内を覗けた気がしました。もちろんあの表情がどういう気持ちの表れだったのかは想像しても100%は分からないけど、少しだけ見せてくれたあの表情は忘れられません。胸がいっぱいになりました。千秋楽で、心に特大のはんこを押してもらいました。

これからもきっと作品毎に違った色の違った柄のはんこを押してくれるんだろうなぁ……。

次の舞台「管理人」はどんなはんこかな。楽しみだなあ。

 

血の婚礼、良い舞台でした。大阪公演もどうか怪我なく無事に幕が降りますように。

おわり。

 

 

舞台血の婚礼10月1日マチネを観劇した感想メモ

20221001マチネ

 

花婿の家

 

花婿の母の「どうして?」と「ごめんね」の言い方が観るたびに違ってすごい。今日は激しめのどうして・ごめんねだった気がする

 

「孫が6人もいると嬉しいねぇ」がいつも急だなと思っていたんだけど、あれはナイフを渡してほしくて手を差し出した息子の気を逸らそうとしているのかな?と今日初めて思った

「最初の子は母さんのために?」の花婿の切ない表情

 

あと「ずいぶん大きくなったんだねぇ」の母親が好き。子供に戻ったみたいでなんか寂しそう

 

そして今日は村の女が元気いっぱい陽気ハッピーフルスロットルで最高だった!

いつでも最高なんだけど、今日はさらに楽しそうにお話ししてた!大好きー!

 

レオナルドの家

妻の子守唄「川に降りて水の中」から声量が爆音になるの毎回びっくりするしゾッとする(好き)

 

レオナルドと妻との会話、先週末はレオナルドの優しい夫・パパの顔を見られた〜やった〜!と思ったんだけど、今日はより男らしく荒々しくなってるのを感じた。声が低く深くなってて怖かっ怖いというより男らしかった

「いいや、そんなに乗ってない」の嘘ついてる感がすごかった心を閉ざし、無理やり平静を保ってる感じがした

水を飲んだ後にタオルで口元を拭うレオナルド可愛かったです。しっかり目に拭ってました。

 

全体的に尖ってるレオナルドだったけど、妻に「泣くのか?」って言う時だけちょっと優しかった……

あと女の子が入ってきてから椅子を蹴るまでの間のお口ワナワナが少なめだった気がする

 

花嫁の家

今日の花婿が持ってる荷物すごく重そうだった気がする!(持ちにくかったのかな?笑)

 

母親が「本当かね!」とキリッとした顔で花嫁を顎クイするのかっこいいよね

 

花嫁に荷物渡して「えへへあはは」ってなるところ、いつも花婿が黒っぽい丸いお菓子の包みを持ってる気がしたけど今日は白いお菓子だった〜

 

花嫁の「その舌、引っこ抜いてやる」って、言葉として強すぎるなぁと思っていたけど、ただ「黙ってほしい」という意味だけじゃなく、

「自分に都合の悪いことを未来永劫言えぬようにしてやる」みたいな、ほぼ呪いの言葉なのかなと思った。怖。ホラー。

 

花嫁が壁(?)をドォンして暗転するあたりで、女中さんが腰に手を当てながら「これからどうしたもんかね……」って感じで呆れてる?困ってる?のが好きです

 

婚礼の準備

婚礼のおめかしの準備をする花嫁と女中、いつもに増して仲良し度が増してて最高だったー!女中さんの花嫁の可愛がり度が増してて楽しそうだった

女中さんの「婚礼の朝がやってくる」のダンスが可愛くて本当に大好きBIG LOVE

 

何度見ても「あんたかい!」「俺だ、おはよう」が最高。「俺だ(キメ)おはよう(じっとり)」が良い

先週見た時の「俺だ!」の爽やかさは今日はなかった。どちらかといえば大人の余裕

 

花嫁が出てきた瞬間揺れ動くレオナルドもう彼の心を動かせる人は花嫁しかいない

 

レオナルドの「夜ごとお前を眠らせない」が「俺とお前を眠らせない」に聞こえたけど気のせいかもしれない。今日はちょいちょい危ういセリフがあった気がする(てにをはが違うとかけど全然違和感なくてリカバリー力の凄さを垣間見た

 

「結婚してから俺は昼も夜も」のレオナルドの揺れる声が切ない。公演を重ねるたびにここが切なくなっていく気がする

どんどん1公演の間のレオナルドの感情の振り幅が大きくなっていく気がする

 

レオナルドの「これだけは言わせてくれ」でポンポコ楽しげな音楽が鳴るの好きです

 

婚礼

「教会の鐘打ち鳴らせ」の時にレオナルドだけが光の当たっていない影で座っているの切ないそして花嫁が出てきて思わず立ち上がってしまうレオナルド好きです

 

花婿と花嫁が話しているところ、前観た時は「レオナルドめっちゃ睨んでる!視線が鋭い!」って思った気がしたけど、最近はもう目をうるうるさせていて今にも泣きそう。どんどん可哀想可愛くなるじゃん切ない。捨てられた子犬のような顔。まあそうだよね実際花嫁に捨てられてるよね

 

そして明らかに教会に向かう手筈なのに、妻に対して「どこへ?」とか言ってるの本当に妻に突っかかりたくて仕方ないんだなレオナルドはという気持ちです。

 

楽しげな婚礼のパーティーが始まった後、花婿とレオナルドの妻が話をするシーン

レオナルドが、最初は2人が会話してる方を見ているんだけど、だんだん機嫌が悪くなって、目をかっぴらいたまま地面を舐め回すように首をかしげて正面に向き直る(地面は見たまま)のが怖すぎて「ヒィッ」って声出そうになった

なんちゅう目をしとるんや

睨んでいるとはまた違う、頭に血が昇って一点を見つめている感じ

 

レオナルドがいなくなって、妻が「うちの人見なかった?」と探し回っているところ

馬もいないと聞いて花婿が「きっと駆け回っているんですよ」って言ってるのめっちゃ好き。雑すぎ。花婿とレオナルド一回も会ったことない認識でいるんだけど(私が)、それでもレオナルド=馬のイメージなの本当にすごいな。もしかしてここらへんで1番の馬の乗り手なのかな。そんなに有名なら夜中の逢引絶対バレるやろ。

 

花婿の「もう終わりにしてほしいよ」の言い方がキツくてびっくりした!!花婿、最初は遠慮深くて優しいイメージが強かったけど、最近は強さも見える。

 

花嫁居ないってなるところで女中さんが慌てて通りかかって、お辞儀で誤魔化すところが好きです。

 

何度聞いても「馬はここだ!」いい声すぎる

 

全てセリフが終わった後、馬の鳴き声で妻が顔を上げるのが好き。妻にとって「馬の鳴き声=レオナルド」なんだね…………

 

 

○2

 

樵ズがずっと安定ですごい。

 

今日は月の登場で拍手あったね!千秋楽は大きな拍手したいなぁ。あそこで拍手するの割と勇気いるよね……

 

乞食ほんとうにずっと可愛いな。両手バンザイで走りがちなのかわいい。

そういえば前方の端の席で観た時に、月の後ろで時計の針を務める乞食がとても楽しそうなのがちょっと見えました。膝でリズム取りながらチクタクしてた。かわいかった。

 

何度見ても花婿の走るスピードが速くてびっくりする。あと若者のファッションが急に現代すぎる。髪下ろしてるからかな?

 

こんな時でも乞食にぶつかって「どうした?」って声かける花婿優しいなぁ。根がいい人。

 

花婿とレオナルド

 

2人が後光差した状態でゆっくり現れるの何度でも好き。やっぱりレオナルドはどんどん細くなっている気がするそういえばバッテンのハーネスもちょっと緩くなっていた気がする。

 

花嫁の「歯でもいい、手でもいい」って右手を横にバン!と伸ばすあたりで鳴る音がばっちりハマっててかっこよかったー!今日全部音バチバチにハマってて最高だった。

 

花嫁とレオナルドがおでこをこっつんこするところ、今まで観た中でダントツで距離が近かった気がする。今にも2人がひとつになって溶け合わさるんじゃないかと思わせるくらい濃密で、お互いがお互いを愛おしく思っているのを感じた。

 

「この土地のせいだ」とレオナルドが言う時に地面の土をちょっと握るのが好き。そして「甘い匂いのせいなんだ」の声が好き。震えてるようで口説いているようで(?)

 

腰と尻溶け合わすとこいつから2人ともしゃがむようになったんだろう最初からこうだったっけ……

2人でしゃがんでちんまりしているほうが「ふたりだけの世界」って感じがして好きです

 

順序わかんなくなっちゃった……

花嫁が立っていて、レオナルドがしゃがんで花嫁の肩に一生懸命つかまっているところ大好きです

レオナルドが全力で甘えてる感じがして好き。普段はレオナルドが上から花嫁を見下げるけど(物理)、このシーンでは逆転してレオナルドが上目遣いになるのが好きです。

 

レオナルドが「先に行け」って言ってるあたりの表情が、前は闘志を感じた気がしたけど

今日は(最近は)花嫁と結ばれない未来、自分が死んでしまう未来を悟っているような子犬みたいな表情だった

悲しそうでもブルブル怯えているわけでもない。でも花嫁と添い遂げられない恐怖を感じながら、訪れることのない幸せな未来を描きながら、希望と絶望を同時に見ている目をしていました。

 

決闘は今日もすごかった。

特にすごいなと思ったのは、(いつもだけど)花婿がレオナルドを蹴った時の、レオナルドの動き。マジで蹴られてそうすぎてすごい。身体能力カンストしてるのかな

 

レオナルドが花婿を刺した時に自分の左手を見るのがすごい今日初めて気づいた…(フォロワーさんのツイートで知りましたありがとうございます)

手を汚してしまったと我に返っているのか、手についた血を見ているのか……。人を刺すことに対して何かしらの想いを抱えているレオナルド、とても人間。花婿なんてもうねガンギマリですから。

 

 

先週末観た時に背中のマイクがシャツ越しにボコッとしてて、「ゴロゴロしたら痛いじゃん!」と本気で心配してしまった。日によって目立つ日と目立たない日がある気がする。今日はそんなに目立っていなかったような

マイクって!いつまでもあのサイズあの厚みなのかな!?そろそろ小さく薄くなってもいいんじゃないかな!?豆サイズのイヤホンがある時代ぞ!と思いました

 

糸玉

糸玉の歌、なんか好きで口ずさんでしまう。少女2人とも歌がうまい。このシーン何度見てもわかんないな。乞食がことの顛末を説明していることはわかる。もう明日で観るの最後だけどわからないまま終わります。それでもいい、そういう作品だから。

 

黄金の花ってなんだろう?マリーゴールド

ちなみにマリーゴールド花言葉は「絶望」「嫉妬」「悲しみ」だそうです

 

女のシーン

 

村の女が必死に慰めているけど母には全く響かず……何ならさらに力強く吹っ切れてしまった母、すごい。頼れる人がいない時人は強くなるんだな。

そして血まみれで入ってくる花嫁の、唇の色の無くなり方すごいな。あと血が染みた服がリアルよね血の色

 

花嫁の「滔々と流れる黒い川」の言い方が最初からずっと好き。なんか何かが好き

1幕の終わりは皆各々心が揺らいでいる状態で終わっているのに対して、2幕は凛々しく立って終わっているのがかっこいいなと思いました

思いましたというか毎回なる

 

カテコで、ズボンの後ろに(腰の辺り)(ベルトのとこ)にシャツがちょっと挟まってたレオナルド。やっぱり痩せて余ってるのかなと思いました。

 

ついに東京千秋楽だ

誰一人欠けることなくここまで来れるのすごいなぁ、舞台上であんなに熱く喋りまくって動きまくってるのに

今日も良い観劇でした。

 

最後まで怪我なく健やかに駆け抜けられますように!

血の婚礼観劇前の私へ 初日の初見の感想を全部ここに置いていくから楽しんでいってください 私より

舞台血の婚礼、初日おめでとうございます!

どうか怪我なく、無事に幕が降りますように………と何度でも願いたくなってしまうハードな2幕でした。

 

初日を観劇してきたわけですが、約2時間半の間に色んなことが起こりすぎて感情の行き場を失いました。

観たものを忘れる前に、次の観劇で記憶が上書きされる前に、初見の感想だけは書き残しておきたい!内容に触れますのでご了承ください。

 

まだ観ていなくて観劇予定のある方はぜひ回れ右でお願いします!演出のネタバレ見ないほうが絶対楽しいので…

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 

 

 

 

 

こんなマジの古典演劇とディズニーランドとピューロランドと文化祭とハロウィンが一気に全部くる舞台だなんて聞いていません。(※似ている、ということではなく楽しさのベクトルの話です)

すごく楽しかった。楽しかったという感想が正解なのかは分からないけど、とにかく楽しかった。この先ストプレ観劇が初めての友人そして母を連れて行く予定ですが、絶対楽しんでもらえる!初見の感想聞くのが今から楽しみ。

 

 

観劇前の私へ

観劇前の私が観劇後の私に質問を残していましたので一旦答えましょう

 

potea.hatenablog.com

シアターコクーンどうでしたか

コンパクト!狭いのに、一段一段の段差が高くて凄く見やすい!後ろの方でもかなり近いはず。好きな劇場また増えちゃった。規制退場もスムーズでよかったです。物販がちんまりしてるから結構並んでいた気がする。初日だったからかも。あとお手洗いも劇場のキャパに対して多い気がする。

しかし電波が繋がらなすぎてスタンプラリー全然上手くいかなかった。終演20分後くらいに劇場戻って、事情説明してチケット見せてスタンプラリーさせてもらいました。ありがとうございます。スタンプラリーは幕間と終演後だと電波復活しなくて厳しいかもしれない。中二階にパネル展示があるらしいので余裕持って劇場に行ける日があったら探検したいな~。

 

地面の砂の加減は如何ほどでしたか

砂というより土だったね。思ってたよりふかふかそうだった。初手で上から土降ってきたの最高だった。びっくり。アクセル全開。2幕の体当たりな演技を観た時「地面が土でよかったー!」と心の底から思いました。土ではないけど繊維っぽから皮膚の表面に細かい傷ができて痛そう…。どうか皆さま最後まで怪我なくご無事で…(泣)

 

砂以外になにか飛んできましたか

飛んでこなかった!よかった。でも土掴んで投げててすごかった。そして飛んではこなかったけど、客席に向かってライトが向けられることが結構あってびっくりだった。そして客降りというか客席側から舞台上に上がることが多くてびっくりした。気が気でなかった。

客降りがあったから、ライトが客席に向けられた時(月が出た時?)や舞台上のキャラクターが客席の後ろの方を指さした時に「後ろの方に誰かいるのかな!?振り向いていいかな!?」と結構本気で迷ってしまった。

 

アトラクションでしたか

アトラクションだったー!

ジェットコースターに乗せられてあちこち連れ回されて、止まる度にびっくり箱開けさせられるみたいな舞台だった。まさか血の婚礼を観た自分が「楽しい」と感想を残すと思ってなかった。

幕間にお手洗いに立って、劇場内に戻ってきたら舞台がめちゃめちゃ広くなっててびっくりした。緑のカーテンだと思っていたものは、ライトを浴びたら木になってびっくりした。(緑に見えた私の目がおかしかったのかもしれない)。あの土の丘どうなってるんだろう。後ろから人出てくるのびっくりした。

 

レオナルドのジャケット派手でしたか

派手だった〜!舞台映像だけ見た時は「衣装の色なにごと」と思ったけど、レオナルドの妻も赤いワンピースだし、ライティングと舞台美術(と空間)が合わさると全然不自然じゃなかった。

フェリックス家の血筋は燃える赤、花嫁の血筋は内に秘めた熱意のオレンジ、花婿は隠し持った狂気の黄色(オレンジに染まる手前って感じした)、花婿の母は何色にも染まらず夫や息子への想いが映る黒って感じで、カラフルで、それぞれの血筋の色が目に見えるようで面白かった。そして結婚式のドレスは割とこう…概念だった!びっくり!婚礼のシーンで天井から降りてくる電気がとても好き。花嫁のウェディングドレスみたいなデザイン。

 

レオナルドや花婿や花嫁、歌ってましたか

レオナルド歌ってなかっ…………たよね?レオナルドの歌声聴きたかったといえば聴きたかったけど、あんまり気にならなかったかな。レオナルド独りだけ歌っていないのが逆に強い意志を持った一匹狼感あってカッコよかったし、レオナルドの「周りに染まれない虚しさ、寂しさ」みたいなものも感じました。好きです。

あと例の指笛の音わからなかったー!婚礼のシーンで注意深く耳を澄ませないと聞こえないのかも。

花婿はちょっと歌ってたかな。花嫁も歌ってた!

レオナルドの妻が一番歌ってた。ストプレの中の歌ってやっぱりミュージカルとは違うんだなと思った。赤ちゃんへの子守唄だから優しいささやき声で、レオナルドの妻の心細さを感じた……。子守唄のメロディーすごく好きだったんだけど、子守唄ってあんなに暗くていいのかなとも思った。笑

婚礼の歌とダンスは途中から楽器隊の方たちも舞台上にきて、婚礼の招待客として一緒に楽しんでたのが最高だった。楽しい~~~~

 

馬、どんな感じでしたか

馬出てこんかった〜〜〜〜!!まさかの〜!!!!逆に上演前から「馬で駆け回らずにはいられないレオナルド」って紹介されててよかったかもしれない。馬乗りであることを忘れそう。忘れないけど。でも馬出てこなくてもちゃんと馬の存在を認識さえてくれる演出と演技力でした。すごい。

「馬、乗らないんかーい!」とツッコむところも含めて楽しかったです。

 

決闘してましたか

し、してた…………!とんでもないものをみた。「決闘シーンないんだろうな………」と何かの媒体を読んだか聴いたかして思ったのですが、そんな事なかった。

しかも長期戦だった。想像より全然長かった。あんな肉体と肉体のぶつかり合い、魂と魂のぶつかり合いをあの小さな空間で目の当たりにした私たちは一体どうしたら……。なんか……座って観てるだけでごめんね…こんなに命削ってくれてるのに……みたいな謎の気持ちになった。人ってあんなに速く転げ落ちれるもんなんだと思った。やっぱりやられるのが上手いのってカッコいいですね…。バカの感想になっちゃった…。決闘のシーンはまだ言葉にできないなあ…。どうか怪我なく………。

 

カーテンコールは真面目かハッピーどちらでしたか

真面目だった。ニコリともせず、凛とした佇まいで真ん中に立つ役者・木村達成………。お辞儀の仕方が「誠実」を具現化したようで大好きです。2回目か3回目で須賀くんと目を合わせてふっと表情を緩めてらっしゃったのが、とても好きでした。

カーテンコールではもうレオナルドではなかったけど、ギャルで陽キャ木村達成さんでもなかった。「レオナルドを生きた役者・木村達成」だった。

 

何も考えず感想を殴り書き

演出が楽しすぎる

た、楽しすぎるー!!こんなに楽しい楽しいって感想ばかり出てくる舞台だと思ってなかった。私はストプレの観劇経験が少ないので、ストプレに「難しい」「飽きる」「interestingではあるけどfunnyではない」というちょっと後ろ向きなイメージを持っていました。もちろん生身の人間が演じているものを観る尊さ、おもしろさは理解しているけれど、視覚的な面白さ、楽しさ、はあまり体感したことなかった…。

血の婚礼の原作を読んだ時、文体も相まって、重苦しさ・閉塞感・窮屈感を何よりも感じました。だから舞台も暗くて苦しい感じなのかな~小劇場だしな~と、思ったり思わなかったりしていて。

それがもう、観劇したら全部ひっくり返っちゃった!もちろん息をするのを忘れてしまいそうな2幕は「楽しい」だけではないけれど。

空間の使い方

私は上手側に座っていたのですが、場内アナウンス中に「あ、遅れて入ってきた方がいるんだな、アナウンス中に間に合ってよかったね~!」と思いながらそっと通路に目をやると、黒い衣装に身を包んだ安蘭さん演じる花婿の母。そしてもう一本向こうの通路には真っ黄色な衣装に身を包んだ須賀健太さん演じる花婿。びっくりしすぎて「え!?」って声出しそうになってしまった。客降りの演出ってこのご時世な事もあって絶滅危惧種だと思ってた!とんだサプライズ。舞台だけでなく客席側の空間も使用する演出に、役者が舞台に上がる前からテンションぶち上がりました。小劇場ってこんな感じなんだ…たのしい…たのしい……!

ココナッツの殻ー!

最初のテンションぶち上げポイントは、開演前からずっと話題になっていた舞台上の土。もさ…ふぁさ…感のある土だった。そして上演開始3秒で上から土(ココナッツの殻)が降って来て最高だった。最初から全力すぎる。

劇中に創り上げられる舞台セット

次のテンションぶち上げポイントとしては、花婿がぶどう畑に出かけるシーン。花婿が部屋から出ていこうとする時、思わず心のなかで「どこから出るん?」とツッコんでしまった。そうしているうちに、花婿が壁に手をかけ、白い壁がくり抜かれ、扉が現れる。そして地鳴りのような重低音とともに扉が向こうに倒れ、白い光と もやに包まれた広い空間が現れる……のが!もう!最高にカッコいい……。楽しすぎる。向こう側の広い空間にも同じ土が敷き詰められていて、地続きの地面なのがとても好き。

そして花嫁、レオナルドが壁に手をかけるところも最高。カッコいい。3人が壁に手をかけることで初めて完成する舞台セット。好きです。

座席によってはくり抜かれた向こう側が見えないから、下手中央上手1回ずつ座りたいなあ…センターブロックのチケット持ってないけど…。真ん中の窓はちょっとだけ下手側を向いてるから、下手側に座れば向こう側見えるかな?

ガラッと変わる2幕

幕間に舞台空間がガラリと変わってびっくりしました。そんな大胆なことあるんだ。始まるまでずっと、4つの緑のカーテンがぶら下がっているんだと思っていたんだけど、照明に照らされたら木だった。目おかしくなったんかな。もう…ね…そんなガラリと変わった空間で繰り広げられる2幕の肉体と感情のぶつかり合いといったらもうね…言葉になりません……。

花婿の母が最後に白い枠を持ってきた時は「白い枠だぁ」とだけ思っていたけど、後になってレオナルドの妻が持ってきた枠と中央の上から降りてくる枠が揃った時に「最初の…あの3つの枠か…!」と妙に感動してしまった。

 

衣装と舞台セット

衣装!斬新。色の話は前述したけれど、革のベルト?を各々のスタイルで纏っているのが印象的。あの革ベルト血筋や血統、社会や土地や性別や結婚…ありとあらゆる物に縛り付けられているのを表現しているのかなと思いました。

レオナルドと花嫁が手を取り合い逃げている時はすべて外れて開放的になっていたし。逆に、花嫁の婚礼のドレスはゴリゴリの革ベルトで縁取られたものだったし。誰か(忘れちゃった)が「こんなドレス見たことない!」と花嫁のドレスを見て言っていたけれどあれは満場一致だったと思う。でも背中側がお花みたいになってて可愛かったな。

2幕ではレオナルドと花嫁はすべての革ベルトが外れていたのに対し、花婿の革ベルトは脚の物が残っていたのが印象的だった。花婿は感情を解き放ったけれど、まだ母親など(など?)に縛られてもいるのを表現しているのかな。わからないけど。

逆に、母親は黒い服をずっと着ているからベルトが目立たないのが印象的だった。演出家の杉原さんが「スペインの女性は人が亡くなったら自分で決めた期間ずっと喪服を着ている」と仰っていたから、母親はずっと黒い喪服だったんだよね。偶然かもしれないけど、色が同じでベルトが目立たないことで、母親が縛られていることを忘れてしまっているような、縛られていてもそれを苦にせず力強く生きているのが表現されているように感じました。

花嫁のドレスは、白いペチコートの上に真っ黒で重くて動きにくそうな革の縁取りがよく映えていました。まるで「私は縛られています」と自己紹介しているみたいだった。結婚というものが花嫁にとってどれほどの重圧だったのかを表現しているようでした。

 

そして舞台セットは、白い壁に上からぶら下がる照明機材の影が写り込んでいてとても綺麗でした。全体的に機材が丸見えなのも好き。

あと、舞台の転換の時に舞台上がそこまで暗くならず、大道具を入れ替えるスタッフ(みんなキャップを被ってた)と転換の様子が丸見えなのが好きです。

舞台セットの形状と壁に映る影、そして転換の演出が良い意味でとても「作り物」っぽさを演出していて好きでした。あと、婚礼のシーンあたりから増えるワカメみたいな黒いやつ……。謎ワカメと黒い革ベルト衣装がなんか切り絵とか影絵みたいだなと思いました。

それらと、ビビットな色彩に斬新なデザインの衣装が合わさって、箱庭の中の人形劇を観ているみたいでした。

箱庭の人形劇を外から眺めている気持ちでいると、突然客席側からキャラクターが歩いてきたり、暗くなっていく照明と劇場内を渦巻く重低音が舞台と観客側の世界の境目を歪めてきたり、とても不思議な感覚になりました。おもしろかったな。

 

「目を覚ましなさい花嫁さん」の歌

原作を読んだ時、勝手に「招待客たちが結婚式に浮かれて、花嫁さんに出てきてもらうために歌う明るくて爽やかな曲」というイメージを持っていました。「はやく支度を終えて出てきてよ」みたいなことかと思ってた。

実際に舞台を観たら、とても楽しそうな雰囲気だし音楽も楽しいんだけど、なぜか不気味さも感じました。民族っぽい曲調だから?(本当にどうでもいいですが私は無印良品の店内BGMを聴くと不安になります)

ちょっと不気味な曲調で「目を覚ましなさい花嫁さん」と聴くと、まるでその場にいる全員が「あなたが好きな人は本当に花婿なの?本当に好きな人は誰?この結婚は本当にしたかった?目を覚まして、あなたの本当の気持ちを思い出しなさい」と花嫁に対して問いかけているみたいだった。

 

愛されるべき男、花婿

花婿の「母想いの優しい好青年」→「自身の血に流れる狂気に気がつき、感情を止められなくなる青年」への変貌がすごかった。1幕と2幕で別人だぁ…。

1幕はまず「母親を子供のように可愛がって愛しているけど、"悪いものに取り憑かれたかのような狂気"を見るのはもううんざり」の加減がすごかった。母親のことが大好きだから、嫌いになりたくない…みたいな葛藤を表情から感じました。あとやっぱり須賀くんはかわいい。

婚礼前に花嫁に渡すプレゼントを持っているところ、プレゼントの持ち方がギリギリすぎて可愛かった。全体的に結婚にちょっと浮かれてる感じも好き。花嫁がクールな印象に対して、花婿は柔らかくてあたたかい印象。花嫁とのシーンで、花嫁のことをとても愛しているのが伝わってきたけど、それ以上にこの花婿は愛すより愛されるべき存在……愛されている方が似合うなあと思いました。

2幕は、自分に流れている狂気の血を思い出したかのように表情が変わり、声が変わり、脇目も振らずに突き進んでいく様子がカッコよくもあり怖かった。あんなに仲良しだった空くん(役名がわからない)に対してあんなに怒鳴って突き放してしまうんだもん。決闘のシーンでレオナルドに刺された瞬間の表情が上手すぎてちょっと動揺しました。2幕はまだ言葉にできないなあ……。

 

花婿の母

はぁ…まず、凛としていてとても美しかった。そんな佇まいとは裏腹に、言葉は乱暴で、でも息子のことが大好きで可愛らしさもあって。「ナイフ」という言葉をトリガーとしてパチンとスイッチが切り替わり、淀みなく言葉が発せられるのが、体の中に流れている呪詛が溢れて止まらないようでとても不気味でした。

婚礼のシーンの衣装がとても素敵でした。

花婿の母が一番多くのものに縛り付けられているはずなのに、誰よりも力強く地に足つけて立っていてカッコよかったです。最後の花嫁とのやり合い、カッコよかった…すごかった…劇場に語彙力置いてきたから今はすごかったしか言えないけれども。

1幕の、お家で近所の人とお話してるシーンが可愛らしくて面白くて好き。花婿の母、母親だけでなくちゃんと女の子で居られる時間もあるんだね、良かった、と思った。

そう、近所のおばあさんが!めっちゃかわいい~~!このシーンが初日で唯一笑いが起きたところだったかな?あんなに可愛らしくて声が素敵な方いらっしゃるんですね…かわいい……好き…。

 

レオナルドの妻

好き……。全員好きだけど…。赤ちゃんが泣き出して、1人で寂しそうに子守唄を歌う妻…。妻からは常に寂しさを感じました。レオナルドと妻のシーンはそこまで多くないけど、レオナルドの前では常に少し怯えている仕草で、普段のレオナルドの態度の悪さ……悪さ?高圧的な態度であることを感じました。

寂しそうだし怯えているけど、レオナルドを愛していて彼にその気持ちを届けようと必死なところが好きです。ただ弱いだけでは終わらないのがカッコいい。

教会に向かう時に「あなたと一緒じゃないと動かない!」と言い切ったのカッコよかったです。

あと、花嫁となかよしなの可愛くて大好き。なんかこう…仲悪くならないのすごいなと思いました。

 

花嫁と父と女中

女中さんが可愛らしくて人間味溢れてて大好き。婚礼の支度をしている時の、花嫁との仲良しな様子を一生観ていたい。

そして花嫁の父!!ユーモアに溢れる陽気なおじちゃんという感じでとても好き。花婿の母とのコンビネーションが抜群で二人の掛け合い観てる間ずっと笑顔だった。お似合いの二人だなと思いました(そこが?)

 

そして花嫁。出てきた瞬間に、自身の感情をすべて隠しているんだなということが伝わってきました。「結婚を控えている女性」として必死に振る舞ってた。

そして花婿たちが帰っていってから秒速で態度デカくなるの最高だった。

婚礼当日、花婿を愛し(可愛がり)っているのも伝わってきたけど、だんだんとレオナルドに気を取られていって、心の針が少しずつ花婿からレオナルドに傾いてくのが見て取れてすごかった……。

「でも私は花婿と結婚する」という意志の強さと、それと同じくらいの強さの「レオナルドが忘れられない」という想いが花嫁の心のなかで闘ってた。

 

レオナルド

好きです…。本を読んだ時、レオナルドひどいやつだなあと思ったけれど、いざ観劇してみたらそんなことはなかった。

独りだけ歌わないレオナルド。誰とも目を合わせず、常に誰かを鋭く睨みつけているレオナルド。常に苛立ちを感じ、妻に高圧的な態度を取るレオナルド。一見ひどい人だけど、固く閉ざした心の内にやわらかな気持ちも持っているレオナルドだなと思いました。

妻と最初に言い合うシーン。(馬の蹄鉄の話してるとこ)

妻への口調は意外と優しくて、いつも機嫌が悪いわけでは無いんだと安心しました。ちゃんと心の柔らかい部分も持ってた。そして少しでも彼の気に障ることがあるとピンと張っていた糸が切れるかのように態度が一変するのが怖かった。怖いけど、自身の気持ちを処理する方法を知らないから物に当たったり、すべての感情を「苛立ち」に変換してしまっているように見えました。何だかとても可哀想だった。

 

フェリックス家の人間だからと、小さい頃から周りに敬遠されて生きてきたのかなと思いました。だから愛されることを知らなくて、誰かを愛することに情熱を捧げていたというか。どれだけ妻から愛されていても、レオナルドは愛することでしか満たされないんじゃないかな。だから花嫁のことが忘れられなかったのかな。

 

レオナルドのことはもっと考えまとまってからにします。

 

木こりズ

木こりって!勝手に仙人みたいな風貌をイメージしていたんだけど、とてもスタイリッシュ木こりズだった!探検隊みたいで可愛かった。衣装が急に現代的になってびっくりしたな、かわいい。

何故木こり=仙人みたいな風貌を想像していたのか考えた結果「あなたが落としたのは金の斧?それとも銀の斧?」的な話の、湖から出てくる方の人を思い浮かべてるからだった。あの人木こりじゃないわ。

20年以上続いた勘違いがここにきて解けてよかったです。また一つ賢くなった。

 

忘れない、月が出てきた瞬間、一瞬客席の時が止まったことを。満場一致で「……なに?」となったと思う。まさかあんな現代的な色遣いとデザインのフロートに乗って出てくるとは思わないじゃん。たしかに「特殊衣装がある」とは聞いていたけど、光集めるタイプの衣装だとは思わないじゃん。風の抵抗をもろに受けるタイプの。いや何?

月って、顔を黄色く塗って出てくるとか頭に黄色い丸いかぶりものしてるとか、そういう事かと思ってた。銀か…そうか…超輝いてたわ……集まってたな、光。「月に照らされたら見つかってしまう」みたいなニュアンスの言葉が原作を読んだ時好きだったんだけど、そうだなこれは確かに照らしているな…。

月が出てきた時に笑っていいのかわからなくて困惑してたら、パチリ、パチリ、と拍手が聞こえてきて、最終的に会場全体で月の登場に拍手をしたんだけど、拍手が起きるまでの間に若干間がありましたからね。あの時みんな(何?)(笑っていい…?いや誰も笑わん)(どう…どうしたら…)(感情の行き場)(そんなことある?)(着こなしてる安蘭さんすごいな)(いや何?)(これから本当に決闘するんか)って思ってたと思う。しらんけど。インパクトすごーい!楽しーい!笑

決闘終わってからもう一回出てきた時「いやまだおるんかーい」って声に出そうだった。楽しすぎ。感情の行き場を失った。あと月が言ってること1文字も聞いてなかった。次はちゃんと聴くぞ

 

花嫁とレオナルドの逃走

まさかのスローモーションだった。筋トレすぎる。ゆっくりな筋トレが一番きついですからね。

劇場に語彙力置いてきたので今は何も書けませんが、熱く抱き合ったり手を取り合ったりする動きに合わせて音がバチバチにハマるのが気持ちよかったです。

 

決闘

こんなにすごいものを観てしまっていいのかと思った。これも劇場に語彙力置いてきたし全然消化しきれてないのでいつかまた。

とにかく怪我なく最後まで走り抜けてほしいです。

床がココナッツでよかった。本当に。

 

そういうことだったのか~!と思ったところ

レモネードのくだり

レオナルドの妻がレオナルドにレモネード(レモン水だっけ)が要るか尋ねる場面。本を読んだ時はレオナルドの返答が「うんと冷たい水で頼む」みたいなニュアンスだった気がするんだけど、上演では「水でいい」だった。なるほど~~!

本を読んだ時「あ、こういう時でも妻に甘える…というか自分の要求を受け入れられる前提でいるんだな、亭主関白って感じだな、怖いなあ」と思っていたのだけど、観劇したら「うわー!こっちのほうが怖い、嫌だ」と思いました。妻の「レモネード飲む?」という提案を「水でいい」とそもそも受け入れてくれないという……怖っ……。心のシャッターガチガチやないか。そしてその後、水の入ったコップを机にゴンですから。水ってあんなに縦方向に飛んでいくんだと本気で衝撃を受けました(そこ?)

 

花嫁の「離して!」

花嫁が花婿に後ろから抱きつかれて「離して!」という場面(やめて!だったかも)。本を読んだ時は、レオナルドや婚礼(を本当に続けていいのか)の事で頭がいっぱいで、ただ気が尖っているからそう言ったんだと思っていたけれど、

早見あかりさん演じる花嫁は「レオナルドを好きになってはいけない、顔を見てはいけない、どうしてこっちに来るのよ!」という想いが滲み出ていて、「なるほど…………」となりました。あのシチュエーションで抱きつきに来たのがレオナルドだと本気で思っているし「やってはいけない」と自身に強く言い聞かせているように感じた。すごい……

 

もう一個くらい「なるほど~」と思ったところあった気がするけど忘れた!

 

まとめ

舞台の遊び心と人間の真摯な演劇を存分に浴びることのできる舞台、血の婚礼。

この舞台を観ることが出来てよかったです。邦生のこと大好きになっちゃった。

今はとりあえず、2回目以降の観劇で月にどういう気持ちで挑むかだけ考えています。

 

おわり。

 

血の婚礼を真剣に読んだら馬が駆ける速度にやたら詳しくなった

せっかくチケットを取って舞台を見に行くなら全力で楽しもう!と思い立った結果、4冊を読み比べることになってしまった。やだ~大学の卒論より真剣。好きこそものの上手なれとはこのことですね。

↓前回投稿したものは内容に触れないようにしていましたが、今回は内容について気になったこと考えたことをざっとまとめています。ストーリだけじゃなく血の婚礼のコンテンツ諸々(ラジオとか舞台映像)についても書くかもしれないです。

内容に触れたくない方は回れ右でおねがいします!

potea.hatenablog.com観劇後にどう印象が変わるのかとか、文章の表現がどう三次元に起こされるのかとか気になるし。観劇後の自分が楽しむ用です。

あわよくば、本を読んでわからなかったところについて書いておけば、これを読んだ誰かが教えてくれるかもしれないし……という気持ちもあります。

 

まずは読んで気になったところ

麻と大麻

1冊目を読んだときに「大麻」と訳されていたものが、2冊目から「麻」に変わっていて、「ぜんぜん違うじゃん!」と思いました。

そしてその話を友人にしたら「え、麻と大麻って同じだよ」と当たり前のように言われ、ひっくり返りました。みんな知ってること!? 一般常識!? そうなのか。知らなかったよ。

麻といえば袋や洋服、大麻といえば危ない葉っぱを思い浮かべていたので、全くの別物だと思っていました。

血の婚礼の中で、花嫁の父が「大麻の出来がいいようだね(意訳)」と話しているシーンを読んで「なんと…物騒な……治安……」と思い

「麻の出来が良いようだね(意訳)」を読んだ時には「洋服の原料がたくさん生えるから儲かるんだなぁ…いや、大麻のほうが儲かるのか?ていうか生えてる物そんなに違ってていいの!?」と思いました。

まさか麻と大麻が同じものだとは。

同じものというと語弊があるのか。「麻」の原料になっている植物は20種類以上あって、その中に「大麻」が含まれているんですね。調べたら割と難しかったので「麻の部位によって扱いが変わる」という雑な理解にとどめておきます。

「麻」が総称で、そのなかに「麻と名のつく植物」がたくさん含まれているという……ソーセージとウインナーみたいなことですかね!

またひとつ賢くなっちゃったな。

 

血の婚礼を読み解く上でこの話題は本当に関係ないです。

 

10里(レグア)めっちゃ遠いやんけ

読み進めていくと「花嫁の家がとても遠い」という話題が出てくるのですが、そこに「10里(レグア)離れている」という文章があります。3冊目までは「ふ~ん10レグアね(10レグアってどれくらいだろ、まあいっか)」と気にしていなかったのですが、4冊目の訳注に「1レグアはスペインでは5572メートル。つまり10レグアは55km」と書かれていて、思わず「遠すぎだろ」と声に出ました。50kmって遠いよね…?遠いです。

50kmというと渋谷から伊勢原くらいらしいです。伊勢原……通じないか…。緑豊かで、合宿とかするタイプの土地です。

 

あ、50kmというと品川から逗子くらいですって。電車で1時間。現代の電車で1時間かかる距離ってとても遠くない?

え、現代の電車と馬だったら電車のほうが速いですよね?調べましょう。

こちらのサイトを参考にしました↓

馬が1日に走れる距離は?どのくらい?時速何キロで走る? — | 乗馬用品ジョセスの記事一覧

 

電車

・快速で約時速90km

・新幹線で約時速120km

快速で100km出ないもんなんですね。

そう考えると車ってとても速いですね。生身の人間が通る恐れのある道路を時速60とか出して走ってるの怖いな…。それを1人の人間の運転で管理しているのすごい怖いじゃん…。免許持ってるけど絶対に運転したくない……。してません…しません……。こわいので…。

 

馬は走る速度いろいろみたいです。

 

・トコトコゆっくり歩く常歩

時速5~6km。数日間継続して移動可能。

え、馬の体力すごいな。

 

・ジョギング程度の速歩

時速13~15km。

継続できるのは一時間程度。一日に数回繰り返して30~45km移動可能。

そうだよね、馬って生き物だからずっとは動き続けられないよね。

ママチャリの平均時速が15kmほどらしいです。なるほどそれくらい。結構速い。

 

・駆足(かけあし)

時速20~30km。一度に走れるのは30分程度。一日で最大30km移動可能。

速くなればなるほど一度に走れる時間は短くなっていきますね。いきものだもの。

 

・全速力(襲歩

時速60~70km。一日で4~5kmほど移動が可能。

襲歩で走り続けるのは5分が限度。

馬すごくない!!??????????時速70km出るの!?車じゃん。

さすがに5分が限度なのね。よかった、5分が限度で。それにしても馬ってすごいな……。

 

馬の可能性が無限大すぎる。馬って自転車にも車にもなるんだね。馬って偉大だね。血の婚礼の登場人物の中で一番偉いの馬かもしれない。

 

急にレオナルドの解像度が上がったな…。

「(花嫁の家は)一番近い家から10レグア離れている」と書かれているので、レオナルドの家から花嫁の家まで最低でも55km、もしかしたらそれ以上離れているかもしれません。遠すぎる。

 

「馬が目をひんむいて倒れてるけど大丈夫?」と姑が心配する(疑う)シーンがありますが、そりゃ夜な夜な往復100キロ走らせてたら馬だって目ひん剥くよ。走らせすぎやろレオナルド。

 

馬を55km×2回走らせたらどれくらいの時間がかかるんだろう。

え~でも時速15kmは1時間しか続かなくて時速30kmは30分しか続かないんでしょ?結構時間かかりそう。

一番速い走り方から順に(一度に走れる時間を考慮した上で)全部使って55km走らせたとして……

襲歩5分(5km) + 駆足30分(15km) + 速歩1時間(15km) + 速歩1時間(15km) + 常歩1時間(5km) = 3時間35分(55km)

馬が超全力を出して3時間半。復路も全く同じ走らせ方だと馬がかなり無理する感じになるけど、それでも往復7時間……7時間!?。よくバレないな。いや馬(いのち)は嘘をつかないから姑にも妻にもバレてますけどね。

(よく読んだら花婿が花嫁の家に行くのに4時間かかったと言っているシーンがありましたね。計算する必要まったくなかったです)

 

花嫁と女中の会話で「夜中3時にレオナルドが来ていた」と判明する場面がありますが、家族が寝静まってから出発してバレないうちに家に帰る(堂々と家に帰ってるのか?笑)となると、花嫁の顔を見られるのは本当に一瞬なんでしょうね。文字通り「一目見る」という感じでしょうか。

ていうかレオナルドが初めて妻とともに舞台上に出てくるシーン、レオナルドは徹夜明けということになりますか…?あのレモネードのシーン朝なのか夜なのかイマイチわからなかったんですよね。まあいいか。(※ちゃんと読んだら妻が「どうして昼に戻らなかったの?」とレオナルドに問うシーンがあるから、ここは夕方〜夜の話なのかも。そんなバリバリ昼間に花嫁のとこ行っちゃうレオナルド大丈夫?リスクヘッジしっかり!)

 

そして妻との会話で初めて、レオナルドは元カノ結婚の事実と婚礼の日取りを知ることになるわけですが、その事実を知る前から、レオナルドは元カノの顔を見るためだけに夜な夜な馬を走らせていたということですね。「結婚してしまうから最後に見納めておこう」とかじゃなくてシンプルに元カノに未練があって馬を走らせているレオナルド。欲望に忠実でいいですね…。興味のあるものに一直線な感じ好きです。

それはそれとして、往復100キロ超の道のりを駆けてまで花嫁の顔を一目見に行くレオナルドの執着心というか、愛というか、妻がいるにも関わらず行動に移してしまう軽さと男気(男気?)というか……諸々ひっくるめてレオナルドやばい人じゃん。本当に今の家族のこと興味ないんだろうな。

馬一頭の命を厭わないほどの愛と執着。

 

馬車と馬ってそういう感覚なんだ

4冊目を読んでいる時に突然「そっか馬車と馬って別物か~」と思いました。(馬車が荷車と訳されている本があったから馬車と思ってなかったのかも)

馬車と馬が違うのは当たり前なんだけど、なんか忘れてた。レオナルドと妻が馬車で行くか馬で行くか小さい喧嘩を繰り広げているところを読んで、ハッとなりました。

ちなみに馬車の速度はだいたい時速10~15km…15だと少し速いくらいらしいです。馬に乗るよりも馬車の方が遅いんですね。たしかに優雅なイメージある。

レオナルドが妻に向かって「俺は馬車に乗るような男じゃない!」と声を荒げる場面があるのですが、馬車ってレオナルドにとってダサいものなんだ…と妙に微笑ましくなってしまいました。たしかにね、馬に乗って颯爽と駆けてる方が格好いいものね。

 

↓「馬で駆け回らずにはいられない」と紹介されているレオナルドとても好きです。ちょっといじられとるやん。

 

思いついた順に感想を並べる

いや知らぬ間に死んどるが

「決闘シーンがあります」という宣伝を聞いてからウキウキが止まらない。文章で表現されていた決闘シーンを生身の人間がどう演じるのか。まずアクションシーンが文章でどう表現されているのかから楽しみですよね。

そして血の婚礼を読んでびっくり。ないじゃん。決闘シーン。知らぬ間にレオナルドと花婿、死んどる。はじめて読んだ時、本気で1ページ読み飛ばしたと思った。しかもそこそこ分かりにくい感じで死んでた。小説でナレ死すな。血の婚礼を読み終えた(私の)母に「レオナルドと花婿死んだのわかった?」と聞いたら「え!? 死んだの!?」と、とても驚いていて笑いました。

(「死んでる……」って気づいた時、脳内で「女の園の星」の星先生を思い出しました。)

あるかなぁ…ほんとうにあるかなぁ決闘シーン…。最初の方の番宣(?)では「決闘シーンあります」だったのが、新しめのコンテンツで「決闘シーンもあるかもしれません」に変わっていたのが気になりました。本番どんな感じなのー!たのしみ。

 

この時代における結婚

母が花嫁に「結婚とは1人の男と子どもたち、そして世間との間との分厚い壁だけになること(意訳)」と諭すシーンが印象的でした。

現代の結婚は、女性が家庭に入ってお給仕すること…的な意味は薄れつつあるけど、この時代は結婚=女性が家庭に入ることだったんですね。

あと、結婚=子供を産み育てることというのも強く感じました。花婿の母と花嫁の父の会話が生々しかった。

パッと血の婚礼のあらすじを読んだ時は「婚礼の日に花嫁を奪われる花婿可哀想だし、花嫁を奪うレオナルドだめだし、ついていく花嫁もだめじゃん」と思ったけど、この時代の結婚がどういうものか分かると見え方が変わってきますね。

「分厚い壁」という言葉の重み。結婚したら最後、家族以外の人間と誰とも会うことができず、ただ夫と子供のために生きていくのかなと思わせる言葉。まるで牢獄みたいですね。このシーンを読んだ時、本当に好きな人との結婚じゃないとキツイだろうな~とか、結婚は女性にとって幸福とは限らないのかなと思いました。(それは時代性別関係なくいつでもそうか)

「自我を捨て、愛すべき男を愛し、家庭を築き、家と家族に身も心も縛られ生きていく覚悟を持つこと」が結婚だったのかも。

ということを踏まえると、レオナルドの妻への態度のひどさ残酷さの解像度が上がりますね。妻にとって(この時代は)家庭の中が全てなのに、子供にも妻にも愛情を向けていないことが丸わかりなレオナルド。なんてやつだ。妻を癒せるのは夫と子供しかいないんだぞ。ただ無関心なだけではなく、妻が「あなたの両目には棘がある」と感じるくらい攻撃的な態度なのシンプルに最悪。妻の心が休まる場所がない。

 

花嫁は花婿のことをレオナルドとは別のベクトルで愛していたんだろうけど、結婚には後ろ向きですよね。そんな折に元彼(BIG LOVE)が現れたら、花嫁にとっては救いの手・一筋の光なのかもしれません。

外から見たら「花嫁を奪い取ったひどい男、レオナルド」だけど、もしかしたら「牢獄に入る寸前の花嫁を救い出した勇敢な男、レオナルド」なのかもしれない。

 

でもレオナルド絶対最高なんだよな困っちゃうな

レオナルドはシンプルにモラハラ夫なのに絶対に最高だから困る。さすがロルカの理想の男。妻に冷たい視線を向けたり、カッと感情が昂ぶって声を荒らげたり。妻が「どうして何も話してくれないの」的なことをレオナルドに言うシーンがあるから、きっと本心を隠したような表情も見られるだろうし…。花嫁の前に現れればカッコつけてるかもしれないし、好きな人を前にして表情が柔らかくなるのかもしれない……。とにかくいろいろな表情を見られる気がしていてとても楽しみです。

達成さんの声が好きなので、機嫌が悪い時・怒った時の棘のある硬い声きっと最高なんだろうなと今から楽しみです。

妻への態度絶対最低なのにとても魅力的に見えるんだろうな……なんか……モラハラしてくるパートナーと別れられない人の気持ちがちょっとわかった気がする……(?)

 

あと婚礼の朝に堂々と扉を開けて花嫁の前に現れるレオナルドめっちゃ好きです。「俺だ、おはよう」って平然と準備中の花嫁のもとに来るのおもしろすぎる。「俺に会いたかっただろう?」的な、絶対的な自信。あとちょいちょい「(花嫁は)花冠は小さい方が似合う」とか各所にマウント取ってるの面白くて好き。

 

個人的に楽しみにしているレオナルドは

・女中に「赤ちゃんは?」と聞かれた時の反応

・馬で駆け回るレオナルド

・妻への冷たい態度(絶対最悪なのに絶対サマになってるから)

・花嫁への態度がどんな感じなのか(ちょっと子供っぽくなったりするのかな)

です!

 

そういうのってどの時代も同じなんだな

レオナルドと花嫁が逃げている時に「先に階段を降りたのは誰なんだ」「馬に手綱をつけたのは誰なんだ」などと小競り合いしているところが妙に好きです。切羽詰まった状況で言い合いが始まっちゃうのってどの時代も同じなんだなと思いました。人間を感じる。

このシーン馬乗ってるのかな……。木こりの台詞が官能的なシーンの暗喩…暗喩でもないか。そんな感じだけど、舞台でどんな感じになるんだろう。楽しみ!母(初ストプレ観劇)と観に行く日があるんだけど、観終わった後に気まずくなったらどうしよう…(ならんやろ)

 

湿度が高い

女中が花嫁の支度を手伝っているシーンで、女中が花嫁に「なんて可愛いんでしょう」と熱いキスをする場面があって、女性同士の関係性の湿度が高いなあと思いました。でも調べたら、スペインでは挨拶にキスやハグをする文化圏みたいなので、当たり前なのかもしれない!

 

花婿がいい子すぎる

若干気がおかしくなってしまっている母親をうまいこと扱いながら、愛しながら生きているのがよく分かる冒頭のシーン。花嫁の家でもおとなしい。超いい子。そして婚礼の日に花嫁に後ろから抱きつこうとして拒絶されてしまうの切ない……。

いい子すぎて印象が薄い…ごめん花婿…。その印象が薄いまま知らぬ間に結婚式場を飛び出して殺気立っていた花婿…。はやく舞台で観たいです。このいい子な感じがとても須賀くんっぽくて楽しみです。

 

母親と花嫁がかっこいい

母親と花嫁は女性なので、たくさんのものに縛り付けられて生きているなぁという印象を持ちました。

様々なものを失っても力強く地面に立って生きる花嫁の母親。

結婚する意志を固め、自分の欲望を捨てようとしている花嫁。

そして自身の欲望に気づき、欲を満たすため突き進んでいく花嫁。

カッコ良すぎる~!まだ文章でしか読んでないのにかっこいい。安蘭さんも早見あかりさんも絶対カッコいい。はやく舞台で観たーい!

 

血と土地

読んでいてとても「血」と「土地」と感じました。

殺し合うことで飛び散る血、家系的な意味の血、血統…血筋……。

 

土地に関しては、花婿の家は土地を手に入れて金持ちになったんだみたいな話題が出てきて「土地が富の象徴なのか~」と勉強になりました。象徴というか、作物が実るから儲かるってことですよね。なるほど。

花婿の家と花嫁の家の土地を繋げたい、みたいな話題が出てきた時に「結婚するのってある程度お金のためでもあるのか」と思いました。

あとは母親が家から出たがらないシーン。この地に夫と息子が眠っているから目を離せない的なことを母親が言っていて「めっちゃ地面……」と思いました(?)。土地への縛り付けというか。母親が話しているシーンを読んでいると、たくさんのものに縛り付けられてい生きていて苦しそうだなと感じました。でも、更に息子も仇も死んでしまってこの母親は生きていけるのだろうかと若干心配にもなります。

 

舌にはガラスの破片が突き刺さる

詩の部分でいちばんキレイだなと思ったとこです。ガラスが無条件で綺麗だからね。

花嫁とレオナルドのシーンでふたりとも言っている言葉だけど、どういうことなんだろう。言葉を口にするたび痛いということなのかな。詩っぽい台詞が舞台でどんな感じなのか楽しみだな~!

 

結末が予想超えてきた

読む前に「レオナルドと花婿と花嫁3人とも死ぬ(なんなら母も死ぬ)」と結末の予想をしていたのですが、外れたー!!まさかの若い男だけ死ぬ結末だった……!

「全員死ぬ」より生き残った人がいるほうが悲劇だなぁ確かに。やられた。

 

しかし生き残った花嫁が血まみれで花婿の母のもとに帰ってくるのなかなかすごい展開。花嫁、タフすぎ。花嫁はあの2人のもとに行きたくて、殺してほしくて母のもとに行くわけですが(多分)、よく殺さなかったよな…母……。

花嫁からしたら「花婿も元カレも死んだ」という悲しさ極まりない状況だけど、どう考えても花嫁が半分くらい悪いもんね。その状況で花婿の母の元に行ける情緒めっちゃ強い。どういう面構えで。そして「泣くなら戸口で」と言ってくれる母、やさしい。

最後に女だけの世界になるのが力強くて好きです。

達成さんが血の婚礼ラジオで「まだ2幕のシーン観れてない」みたいなことを話されていましたが、その時に「くたばってるから」とサラっとネタバレしてて笑いました。血の婚礼けっこう各所でネタバレしてる気がするけど、昔からある有名な作品だからいいのかな?笑

 

読んでてわからなかったところ

急に出てくる子供だれ~

一番最初の花婿と母親のシーンで、花婿が出て行った後に家に近所の女がやってくるところは理解できます。母親のお友達が世間話しに遊びにきたんだなーって。

でもレオナルド家に突然近所の娘がやってきて「ストッキングが売れた」と嬉しそうに報告しているシーンがよく分かりませんでした。え、この娘は実の娘ではなくただ近所の子だよね?突然家の中に居たからびっくりしちゃった。なんか…そういうものなのかな…出入り自由的な……

 

結婚相手に贈り物するものなの?

花婿と母が花嫁へのプレゼントについて話すシーンがあると思うんですけど、結婚する時って何かプレゼントするものなの?結婚指輪の代わりみたいなこと?(結婚式についての知識がゼロすぎる)

 

留めピン

レオナルドと花嫁が逃げる直前、花嫁が2人の娘に話しかけられるシーンがあるのですが、そこで女の子が「最初の留めピンを私にくれたのか、それとももう1人にくれたのか」と聞く場面があって。このシーンの意味が4冊分読んでも理解できませんでした。え~どういうこと。ブーケみたいなこと?調べても出てこんかった……。

あ~でもその先で「花嫁の留めピンを大事にしていると早く結婚できる」ってあるからやっぱりブーケ的なものなのか!留めピン…髪飾り…?

 

花婿と花嫁の馴れ初めは?

花婿と花嫁がどういう経緯で知り合って結ばれたのか分からなかった……。読み飛ばしてるのかなぁ?レオナルドの結婚式が花嫁にお膳立てされたものだったのは理解できたけど…。分からん!

 

・血の婚礼を観た後の私へ

観劇したら絶対「よかった……」になって楽しみにしていた部分すべてが記憶から飛ぶので今のうちに舞台の演出で楽しみなところ書いておきます

・初シアターコクーンどうでしたか

・地面の砂の加減は如何ほどでしたか

・砂以外になにか飛んできましたか

・アトラクションでしたか

・レオナルドのジャケット派手でしたか

・レオナルドや花婿や花嫁、歌ってましたか

・馬、どんな感じでしたか

・決闘してましたか

・カーテンコールは真面目かハッピーどちらでしたか

観劇後の自分、回答頼んだぞ。

 

久しぶりに真剣に本読みました。読書は楽しいですね。血の婚礼を真剣に予習しすぎて舞台観に行った気になってきたけど、まだ観てない。びっくり。嬉しい。これから楽しみが待っている。

 

杉原さんの演出が面白そうで、とてもとても楽しみです!

無事に幕が上がり、誰も怪我することなく無事に幕が下りますように。

 

おわり